じゅじゅるさん。2

じゅじゅるのへたれ感想ブログ

BanG Dream! 4th☆LIVE 日本武道館ライブビューイングレポ

バンドリ日本武道館公演のライブビューイングを見てきました。

LVははじめての経験で色々戸惑ったんですが、周りの人達にも恵まれてにぎにぎしく観劇できました。カメラワークがとても秀逸で、ポピパのみんなのパフォーマンスをたっぷり堪能しました。

セトリなどレポートはこちらが詳しいです。

www.edgeline-tokyo.com

 

  • 自分応援歌からみんな応援歌へ

ポピパの楽曲は「ときめきエクスペリエンス!」「前へススメ!」に代表されるような、自分を奮い立たせる「自分応援歌」の色合いが強い印象です。慣れないバンド演奏という困難に立ち向かう彼女たちのために、彼女たちの映し鏡として曲が作られてきたように思います。その集大成の意味合いの強い武道館ライブで「自分応援歌」が「みんな応援歌」に昇華されるさまを私たちは目撃しました。どんなに雨風が強かろうが武道館ライブにまで辿り着いた彼女たちが見せつけた力強いパフォーマンスは前に進み続けた成果そのもので、見る者に勇気を与えました。新曲「Time Lapes」で見せた愛美さんの天に掲げる拳は彼女が積み重ねた努力のあらわれのようで、大変心強いものでした。

大塚紗英さんのギターは堂に入ったもので、西本りみさんのベースはバンドを支え、大橋彩香さんのドラムはダイナミックで、伊藤彩沙さんのキーボードはサウンドに彩りを与えていました。確かなものになりつつある彼女達のパフォーマンスが見る者を魅了していました。

ステージ演出も見応えがあり、アニメOP「ときめきエクスペリエンス!」を再現した360°回転するステージ、「Time Lapes」の大人のロックな雰囲気に合わせたスモーク、ステージを覆う落下式モニターなど、大変迫力がありました。アコースティックコーナーでのしっとりした雰囲気作り、VTRからの「光るなら」演奏へのスムーズ進行etc……。

そんな豪華演出に負けない、ポピパのパフォーマンス。演奏もさることながら、チョココロネジャンプやぴょんぴょん飛び跳ねるあやさのかわいいことかわいいこと。耳にも目にも嬉しい。

 

  • ずっと見ていたいさえチ

中でもストリートライブの経験があるさえチの華のある演奏は大変美しく、どの瞬間を切り取っても画になる人なんだなあ、と。ギターを構える角度からしてキマっている。そんな彼女が演奏以外でみせるおとぼけもまさに「おたえ」でした。

アニメ再現コーナーの蔵イブパートでギターを置き忘れて舞台に顔を出すさまなどまさにおたえ。

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「忘れちゃった」じゃねー!(有咲風に)なんでそんな落ち着いてるの……。

演奏以外だととたんにゆるくなるさえチ、最高です。

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 一体さえチは何を見たんだ……。最後の記念撮影中、みんなが「ぶどうのポーズ(武道館の屋根のアレ)」をしている中で謎のファイティングポーズを取っているのもなんか愉快でした。ピックを投げたり投げキッスするさまなど、一挙手一投足がとにかくかっこ良かったり、なんとも奥深い方です。CMで宣言してた歯ギターもやってたよ!!

 

  • あやさの思い入れの強さ

締めの挨拶の時、あいみんが大変自分を卑下して「リーダーらしいこと何も出来なくて」と告白すると、

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 感情が爆発し号泣するあやさ。あいみんのこと、ずっと見ていたんだね。

あやさのポピパに対する思い入れの強さは随所に現れていて、アニメの香澄並に抱きついたり、感情を素直に出す方なんだな、という印象を強く持ちました。

 

  • あいみんの強さと弱さ

ライブ中、ボーカリストとしてリーダーとして立派にバンドを率いたあいみんでしたが、そんな彼女の弱さが最後の挨拶で露呈します。ライブ中一切見せなかった弱気な彼女が顔を出します。初期の香澄はアニメやガルパでみせる奔放なイメージとは程遠く、とても自信なさげな所体で、あいみんはその頃の香澄に親近感を覚えていたそうです。今の香澄は自由人に見えるけど、アニメで見せたように弱気に捕われる一面も残っている。キャラが声優に寄ったのか、声優にキャラが寄ったのか。その境目が分からなくなる位、彼女は香澄なんだな、と実感した一幕でありました。

 

  • キュートりみりん

告知コーナーで二度も「ガルパーティ!in大阪」を「東京」と言い間違えてしまい「大阪を捨てた!」といじられるりみりんかわいい。演奏中は仕事人っぽく着実に音を刻む彼女も、喋り出すととてもキュートな方でした。

 

  • みんなのお姉さん、はっしー

最後の挨拶でりみりんが泣き出す最中、そっとはけてタオルを持ってきてくれるはっしー。劇中通りのお姉さんポジで、とても頼りになる存在でした。演奏中もそうでない時もいつもみんなを見守るドラマーな彼女ですが、360°回る舞台に腰掛けた時の足の放り投げ方など、自然体の姿も魅力的でした。

 

 時間いっぱい、大変楽しい時間をもらいました。

VTR以外ゲストもおらず、ポピパのメンバーだけで武道館をやりきった彼女たちに拍手を送りたいです。ポピパはこれからも前へ進んでいくでしょう。その姿をまた目撃するために僕もがんばろう。本当にありがとうございました。

 

バンドリ再々放送!今こそ見てほしい!山吹沙綾のすすめ

 今年1月に始まったアニメバンドリ、なんと本日からBS11をはじめ、各地で再々放送がはじまります。
 アニメから始まり、スマホゲーに課金して不思議の国のアリサを愛でる毎日を送っておりますが、その想いをブログにしたためることを怠ってきたことを悔いております。
 再々放送がはじまるこのタイミング、逃してはならない!僕がアニメバンドリでぐっと来た山吹沙綾という娘について綴りたいと思います。


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 あのとき、沙綾は何を思ったか。複数回見ていると、彼女が見せる一瞬の表情も見逃せなくなります。
 悲しいことに、沙綾は自分のグループ内での立ち位置に自覚的な子です。友達やクラスメイトと過ごすとき、彼女は自身を何かあったときのための備えと規定するクセがあります。

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 舞台に釘付けになるバンドのメンツからすこし離れて全体を見回すポジショニングをする。こういうことを自然にしてしまうのが彼女です。

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 文化祭で実行委員のサポートとして副委員を任される場面では、彼女の周りも彼女をサポーターとして認識していることが分かります。
 サポートとして求められてるポジションを自然とこなしてしまう。それは体の弱い母の代わりを長年勤めてきた経験から来ているのでしょう。
 そういった、周りからの求めに従って過ごしてきた沙綾が選んだ道を、彼女の表情や仕草から辿ってみてください。また違う景色が映るでしょう。

 アニメの1話で香澄の高校での初の友達として登場し、第8話で走り出すまで、沙綾はどんな想いを抱えて過ごしてきたのでしょう。
 再々放送では、例えばそういうことに注目して見て欲しいです。

アニメ「ケロロ軍曹」のおどろきパロディ3選

アニメ「ケロロ軍曹」には様々なパロディが織り込まれています。
その中から、個人的に「これはすごいリスペクトだ」と感じたパロディをみっつご紹介します。

 

 

・アニメ版デスノート最終回
第185話「ロボボ 機械化大作戦 であります/タママ ノートですぅ であります」(アニメ第185話 Bパート)
DEATH NOTE 最終回より


その精緻な絵柄とキレのあるセリフなどで、のちの漫画やアニメに大量のパロディを生んだことでも知られる「デスノート」。
本エピソードはまるまるデスノートパロディで構成されています。デスノート的アイテムを拾ったタママが暴走した結果、月くん的な最期を迎えるまでを半パートで描いています。
本エピソードのパロディが他のデスノパロディと一線を画しているのはアニメ版最終回をパロってきた点にあります。
アニメ版デスノートは原作のラストとは異なる、銃弾を受けて逃げ惑う孤独な月くんの姿はあまりに憐れで、そのアニメオリジナルの解釈に対し批判もあり、一方で絶賛もありました。波頭の夕暮れが、青春を賭けた歪んだ情熱の放つ最期の輝きとなり彼に降り注がれ、色濃く影を作ります。アニメ制作陣の、原作への迸るリスペクト溢れる名シーンだと僕は思います。

印象的なシーンなのですが、賛否あるラストシーンの改変とあって、パロるには勇気のいるシーンでもあったかと思います。
しかし、元ネタを知らない人にも、ひとつかみの哀愁を漂わせるタママの末路に、アニメデスノートが最後に魅せた熱量は伝わったんじゃないでしょうか。それほどに力の入ったパロディです。煙突のてっぺんでタママを見下ろしながらカレーを怪しくむさぼるクルルが芸コマです。

 


ナウシカ王蟲と破片
226話「冬樹 遠い海から来たカメ であります」
映画・風の谷のナウシカより


「薙ぎ払え!」や火の七日間等、パロディされた例は数知れず。不朽の名作「風の谷のナウシカ」のパロディです。
今回は、風の谷のナウシカの前半部分の見せ場のひとつ、暴走王蟲を鎮めるため、単身メーヴェを駆るナウシカのパロディです。

このシーンは、ユパさまに迫り、追い越すメーヴェが反転し、木々を粉々に凪ぎ払いながら王蟲メーヴェに肉薄する描写をワンカットでおさめた大変重たいカット。特に、ひとつひとつ描き込まれバラバラに飛び散る破片の物量に驚かされます。

これをケロロ軍曹は完コピしてしまうのです。テレビアニメの枠内で!

上記の比較画像からもそのとんでもなさは伺えます。原典への敬意。パロディはこうだ!と叫んでいるかのような、ケロロ軍曹スタッフ渾身の回答。

是非堪能していただきたい。

 

 

・宇宙渡辺久美子
第66話「ギロロ 愛の救出大作戦 であります/夏美&小雪 ドッキドッキ初デート であります」(アニメ第66話 Aパート)

……これはアニメパロ、というか人物パロというか。変化球です。
アニメ版「ケロロ軍曹」において切っても切れない存在のひとつに「機動戦士ガンダム」が挙げられます。
軍曹がガンダム好きなのはもちろん、劇中で登場するガンプラの数々にニヤリとしたガンダムファンは少なくないはず。
ガンダムパロディはケロロ軍曹はもとより、様々な作品でお目見えすることが多いのですが、そんな中、ケロロ軍曹でないと難しそうなパロディがこちら、「宇宙渡辺久美子」です。
渡辺久美子さんは本作の主人公・ケロロ軍曹の声優さんであり、且つ、「機動戦士Vガンダム」で個性的なヒロインとして印象の強いカテジナ・ルースの声をあてた方でもあります。
両作品のファンならば、いつVガンダムパロディが飛び出すかやきもきしていたことでしょう。僕もそう。
ケロロ軍曹のレギュラー陣は名作アニメに関わった人も多く、例えば草尾毅さんにスラムダンクネタが振られる事も。
そんな伏線?があり、シリーズも二年目に突入。ファンからの熱いエールが最高潮に達した頃に繰り出されたパロディが「中の人の宇宙人バージョンの登場」という超変化球。
大興奮の軍曹(CV:渡辺久美子さん)を尻目に、サッとサインを書き、名台詞「冬が来るとわけもなく悲しくなりません?」を残して颯爽と去っていく宇宙渡辺久美子(CV:渡辺久美子さん)。
渡辺久美子にサインをする渡辺久美子……。自分でも何を言っているかさっぱりわかりませんが、このような異次元パロディが成立するのもケロロ軍曹の強みでしょう。

 

 

原典へのリスペクトを元に、あの名作のあの名シーンが見事に再構築された姿を目撃したとき、私の胸に去来する懐かしさ、そして新しい驚き。私の好きだったアニメがあの頃とはまた違う形で世に問われたとき、去来する戸惑いとともに、新しい風を感じてみたい。そんな風に思うのでした。

BanGDream! バンドリ感想SS風 〜少女Aの独白〜

 ポピパとは、眩しさ、かな。……恥ずかしい。自分の知らなかった輝き、今からでは手に入りそうに無いと諦めていたもの。



 印象深いのはおたえ攻略会議。あいつ神出鬼没過ぎ。おたえの彼氏発言の辺りとかさ。なんのこたあない、しょーもない話で転がりながら笑いあえる。そういうものの輝きに初めて触れた気がする。


 それまでは正直、それほど身は入ってなかった。でも今考えたら、引っ掛かったところはいくつもあった。


 こんな話を聞いた。おたえと香澄の夕暮れのギターレッスンとかさ、……まああれむかつくけど、先生が咎めず無言で去っていったらしい。わかるよ。むかついたけど。あのときにしかない、かけがえのない時間が夕日に照らされている。つたない旋律が言葉より多くのものを語っていた、ってとこか。クサいけどな。


 で、おたえがクライブに参加するだろ、ごく自然に。香澄の妹だけが、は? ってなるやつ。なるよなふつう。
 おたえドキドキ作戦におたえが参加してはいけないとは言ってないってか。とんちか。
 まあ多分、ミッションはクライブ前に達成してたんだろうね。香澄がさ、地味な練習をあんなに楽しそうにするの見てきたんだもの。なんか、うずくよな、香澄のああいうところ。りみもきっとそうだったんだろ。


 りみは舞台に上がってから変わったよな。文化祭の出し物の提案とか、出来る子じゃなかったろ。一度火が点いたらぐいぐい行くやつとは、意外だった……。あんなに香澄に迫られて逃げ続けた子がさ。それからは要所要所でバンドが行き詰まったら空気を変えようとしたのはりみが一番多いんじゃないかな。最後のオーディションではチョココロネがーって、おどけて見せてた。演奏のミスをフォローしてくれたのもりみだったな。


 おたえの話に戻ると、おたえのやりたいようにやる姿は、オーナーの言っていた「音楽なんて好きなやつが好きなようにやる」の体現だったように思えるな、今では。


 香澄もそういうことが出来る素質のあるやつだったんだろうけど、シャクだけどな。好きなことを好きなようにやるためには、今自分に足りないものに自覚的かどうかってのも含まれてんだろうね。はじめてのオーディションでは、香澄だけが無自覚だった。だから、「お前が一番足りなかった」なのかもしれない。


 沙綾はその逆でさ、好きなことをやるってことに罪悪感を覚えてしまっている。前のバンドメンバー達に悪いところはなにもなかった。ただ、沙綾は応えられなかった。徐々に意識のずれが明確になった。誰も悪くない。ひとつ言えるのは、香澄は、沙綾がいなくて大変とは言わなかった。いなくても大丈夫って言ったんだよあいつ。ビーンボール気味だぞそれ。そうやって、あいつは最後まで急かさなかった。いつでも来ていいと扉を開けっ広げにしてきた。だから来れたのかもな。まあ家族や前のメンバーのフォローのたまものだけどな。


 香澄の声が出なくなったのには驚いた。あいつにもプレッシャーっての、あったのな。まあ、そういうこともあるよ。みんなでボーカルを分担するって言うのは良いアイディアだった。なんか、距離が近づいた、ような気がする。ラーメン、おいしかったよな。


 最後のオーディションは、ミスもあったけどやりきったと言い切れるものだった。オーナーは言葉足らずなんだよな、ったく。でも、なんとかなった。それからは怒涛の毎日。
 

 スペースでは最初で最後のライヴ。演奏してて気づいたことがあった。これから本格的な夏が来る。夏が来たら、もっとバンドがやりたい。そう、ここから始まるって予感がするんだ。



 しゃあねえから、もう少し付き合ってやるよ。ランダムスター、もう雑に扱うなよ。あ、ケースから出すなー!

話数単位で選ぶ、2016年TVアニメ10選

に、参加します。

「話数単位で選ぶ、2016年TVアニメ10選」参加サイト一覧

ルール

・2016年1月1日〜12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。

・1作品につき上限1話。

・順位は付けない。


2015年。
http://d.hatena.ne.jp/jujuru/20151231#p1
2014年。
http://d.hatena.ne.jp/jujuru/20141228#p1
2013年。
http://d.hatena.ne.jp/jujuru/20131231#p1
2012年。
http://d.hatena.ne.jp/jujuru/20121231#p1
2011年。
http://d.hatena.ne.jp/jujuru/20120101#p1


それでは行きまっしょい。



ノルン+ノネット 4 微睡みの森
童話の世界のような夢に迷い込んだヒロイン3人。みんなかわいいな。
狼を追いかける赤ずきん、ガラスの靴を探すシンデレラ、魔女の心配をする白雪姫。
もともと童話チックな世界と相性の良いアニメなので、なんかちょっと微笑ましいな、くらいで受け入れることが出来る。すばらですね。
その言葉は本当で、その言葉は夢。
少女達の悩みは森のように静かに秘密めいている。見ちゃいけないものを見てる気分でした。



ベイブレードバースト 14 誓いの決勝戦(バトル)!
僕はバルトとシュウの関係が好きでねえ。
やんちゃで浮き沈みの激しいバルトとめっちゃクールでクレバーなシュウって水と油のように見えるんだけど、馬が合うんだよね。
お互い感情の現し方がバラバラなんだけど、ベイへの熱い想いを理解しあっている。
だからこそ起きた、恐らく初めての激しい衝突。
シュウの怪我をおもって試合を辞退してくれと請うバルトの気持ちがいちがいに間違っているとは言えない。でも、バルトが想うのとと同じ位、シュウはバルトとのバトルを楽しみにしてきた。そのすれ違いね。
ここで大泣きしはじめるバルトもずるいっちゃずるいけど、それをほっとけないシュウもね。友情だよ。
そして激しくぶつかった後の和解を経ての、憂いなしの大一番。見たいものが見れた爽快感ってものがありました。



プリパラ 第105話 ガァルル、目覚めるでちゅーっ!!
プリパラの生んだ「トモチケ」「パキる」という要素をドラマ部分に注力した好エピソード。
ニコンすぐ溶ける。
アイドルのモヤモヤから生まれたボーカルアイドル・ガァルルはパキれないのか。
ボーカルアイドルの命たるチケットをパキッた時に起こるであろう出来事におののくユニコンの反応は真っ当ではあります。
しかし、それでガァルルが望む「ふつうの子」への道を断ってもいいのか。
あのガァルルが慎重な面持ちで「本当にいいのか」と問い直すところから涙腺決壊です。
なんだよそんなこと聞くなよ、いいんだよガァルルがパキりたいのなら。
自分がこうありたいと強く願った時、もうすでにそうなっている。そういうことをプリパラは描き続けてますよね。



SHOW BY ROCK!! しょ〜と!! #11 聖MIDI女学園中等部 あざと学特別講義
ロージアちゃんのあざと学講座。
あー一生講義受けててえ。



クロムクロ 第二十五話 鬼の見た夢
敵を退けた後。かつての仲間に切り捨てられる剣之助。
世界は新たな脅威を求めるかのように胎動する。
厳しい監視の中でのデートは空々しさと物悲しさを多分に含んだもので、ピーエーワークスの培ってきた情景描写の光るシーン。
ピーエーワークスは、秋や冬にどことなく漂う手遅れ感とでも言いましょうか、そういったものを表現するのが上手なスタジオって印象です。



響け!ユーフォニアム2 第五回 きせきのハーモニー
葉月ちゃんが電車内でつり革につかまって上体を前に突き出すとこあるじゃないですか。
あそこ、葉月ちゃんぽくてなんか好きです、ああいうちょっとした描写がみょうにフェチくなるのいいよね。
この全国を賭けた演奏は何度聴いても泣けてきます。
葉月ちゃんが身を屈めて拝む先、カーテンの隙間から一筋光が差し込む。カメラはスッと上方へ。
それは全国への、細くまぶしい一本道のように見える。駆け上がるか転げ落ちるか、カーテンのこちら側の部員はただ固唾をのんで見守る。
勇ましいパートが終わり、一瞬の静寂に小さく息をつく音。麗奈のソロパート、細やかな指が精悍さを含んだ音色を紡ぐ。
久美子の、視聴者の脳裏にひらめくはあの夏の夜の花火の下の、壮絶に美しい記憶。
部員全員の祈りや願いそのもののような渾身の演奏でした。



装神少女まとい #05 特別な普通
お着替え回はジャスティスなんですよ。
かたくなな少女が言われるままお着替え人形扱いされ、あれよあれよと相手のペースに巻き込まれる。
お約束ですが、とてもいいです!クールジャパン!
タイトルセンスもいいですよね。まといの普通がクラルスには特別に響いたんです。



フリップフラッパーズ 第6話 ピュアプレイ
いろは先輩回。
先輩の笑顔で終わるので一見ハッピーエンドのようだけど、なんともいえない後味を残したまま終わる。
先輩の笑顔はまぶしい。しかし、何かしてはいけないことをしたような気がする。
言い知れない不安感を抱えたまま過ごす視聴後一週間は、なかなか味わえない居心地の悪さに包まれていました。
マニキュアのにおいを嗅ぐたびに思い出しそうなエピソードです。
それは、懐かしさと、憧れと、後悔のにおい。



ブブキ・ブランキ 星の巨人 第24話 冒険者
アズマくん、なんで日本に戻ってきたんだろうね。流れでそうなったからって感じで、アズマくん、ほんとぼんやりしてたんだな。
ギーの「道を歩く見ず知らずの臭い息を吐く老人の命が大事だなどと思えるか」という最期の言葉が脳裏を離れない。*1
勇者と魔王は表裏一体などと申しまして、それらは紙一重なのであります。
しかし、アズマとギーは似ていても別の人。アズマが欲しかったのは世界ではなく、旅そのものだと仲間に教えられて気付きます。
平和になったからといって、冒険の旅を終える必要なんてないんですね。翼があれば飛んでゆけば良い。
贅沢に尺を使った後日談を見て、ああ、このアニメは一希東の在り方を誠実に追ったシリーズだったんだなって思いました。
そういや、百合ップルって単語、アニメで聴いたの初めてかも知れない……。



TO BE HERO 第12話 英雄十二日目「パパ そばにいて!」
ミンちゃんの声優さん、月野もあさん。初めてお声を聞くお方で個性的だというのが第一印象だったけど、それだけじゃなかった。
最後のミンちゃんの訴え、「あの農場へ行こう」の「あ」の部分のブレ方がすっごく情感こもってて良かったです。
ミンちゃんになってくれてありがとう。
ふざけた設定に設定を重ねてとぼけてみせた末に見せられた、もうひとりのおっさんとの対決。
欲のかたまりのおっさんと、いつもミンちゃんのそばに居続けようとしたおっさん。
どっちがホンモノか、とかではなく、思いの強い方が生き残る、そういう話だったのかな。
いつかのリフレインで終わる構成も美しい。
日本語版監修・音響監督という役回りだったけど、かなりナベシンイズムの強い作品でした。



今年も色んなアニメに出会いました。
意外な出会いというのも今年もありまして、まだアニメには可能性が眠っているのだなあと実感しました。
「良い」アニメにも色々あって。
熱さや悲しさ切なさ、そして萌えやバカバカしさ、そういった多彩なものを受け取れるうちはまだまだがんばれそうだな、そう思うのです。
今年も一年ありがとうございました。
また来年もアニメで会いましょう。

*1:薫子だったらうっせーボケとにべもなく突っ返したでしょうね。あの娘は周囲の人に目を配ることの出来る娘として描かれてきたから。似てるところと似てないところのはっきりした兄妹だよね

映画「君の名は。」感想 もうひとつの「君の名は。」

ちょっと鑑賞から時間が経ちましたが「君の名は。」感想です。ネタバレありです。



新海誠監督がこれまで描いてきたこと。
それは、青春の全てを投じた恋愛がやがて後方に追いやられようと、「それでも人生は続いて行く」ということ。
彼・彼女が結ばれようが結ばれまいが「あの頃」は二度と訪れず、ラッシュアワーに揉まれ改札をくぐる日々に戻っていく。
そのはかない恋物語が時として永遠の別れで終わろうとも、彼・彼女の人生という物語は続いていくのだ。
そして、「君の名は。」もそうした物語であった。
瀧と三葉はお互いを忘れても、その痛みだけは抱えながら今という時を懸命に生き続けた。
それは何も二人の間にだけあったわけではない。そのことについて記そうと思う。


新海監督の新作映画「君の名は。」は、出会ったことのない「君」と出会うまでに少年少女が日々を駆け抜けるさまを描く。
その結末は大団円と呼ぶにふさわしい堂々としたものだ。
過去作に比べれば爽快な後味となっているが、新海誠監督らしさは色あせていなかった。
君の名は。」にはいくつかの出会いと別れが描かれていた。たとえば、三葉と奥寺先輩だ。


瀧は三葉との入れ替わりによって、憧れの奥寺先輩と急接近することになる。奥寺先輩がのちに「好きだったんだ、私」と述懐するように、彼女は瀧に恋をしていた。
その「瀧」とは、三葉と入れ替わった状態の瀧を指している。
やぶれたスカートにかわいい刺繍を施したり、一緒におしゃれなカフェを巡ったり、ついにはデートの約束にまでこぎ着けた「瀧と入れ替わった三葉」に恋をした。


しかし、奥寺先輩に「瀧」と「瀧ではない誰か(三葉)」を区別する術はない。なんとなく、ざっくりと「あの頃の瀧くん」としか言えないであろう。
鑑賞した我々が映像*1をつぶさに観察すれば「何月何日と何月何日、もしくは何月何日の瀧くん(つまり三葉)が好き」と指摘できるのかも知れない。
しかしそれはあまり意味のある行為ではないのかも知れない。「瀧と入れ替わった三葉」を呼び水として、普段の「本当の瀧くん」に目を向ける時間もあっただろう。
そこはもう時間と感情が溶け合っていて、もはや判別のしようがない。瀧から三葉は去った。「あの頃の瀧くん」には二度と会えない。
未来において、瀧の仲介を経て奥寺先輩と三葉が出会う可能性も、なくはないだろう。
瀧と三葉の、お互いについての記憶が消えたのち、瀧がテッシーの名前を聞いて一瞬反応したように、奥寺先輩の名を聞いて三葉がなんらかのひらめきを得ることはありえるのかも知れない。
しかし、奥寺先輩が「三葉」の名前を聞いても、何のひらめきも訪れない。なぜなら、彼女にとって「あの頃の瀧くん」も、瀧には違いないからだ。別人と接していたという認識がない。仮に会えたとして、それは恐らく奥寺先輩の望む「あの頃の瀧くん」とは別人だ。
奥寺先輩が三葉の名を問うことは未来永劫、過去永劫においてありえない。出会ったことのない名前だから、何も起きない。その恋心は永遠に閉ざされる。例えば、宇宙と地球に引き裂かれた恋のように。
奥寺先輩と三葉の出会いは「世界の秘密」として閉ざされた。しかし、奥寺先輩は次の恋を見つけ、新たな自分の物語を紡ぐ。永遠と呼べる別れを経てもだ。
その在り方は新海監督がこれまで描き続けてきた主人公たちの姿を彷彿とさせる。


もう二度と、いや一度も君の名を問わず、しかしそれでも自分の物語を紡ぎ続ける。そういう有り様に、新海監督はこだわり続けた。その想いのひとつの結実が「君の名は。」にあるのだろう。

*1:スマホの日記アプリの日付など