じゅじゅるさん。2

じゅじゅるのへたれ感想ブログ

KURAU Phantom Memory 第12話

 天箕博士に連れられクラウ達が訪れたサナトリウム。そこは二年前の月面事故によってリナサピエンに身体を侵食された人々が隔離された施設だった。クラウはリナクスに苦しめられる人々を救い、リナクス達を元の世界に戻す決意をする。患者達を治療し始めるクラウだったが、リナクスに全身を侵されていた患者・緑が光となって四散してしまう。婚約者が泣き咽ぶ緑の婚約者に書ける言葉も無いクラウとクリスマス。しかし感傷に浸る暇もなく、リナクスの存在を感知したGPOが現れ、再び逃亡の身となったクラウとクリスマスであった。
 クラウと天箕博士の決意と葛藤。他のリナクスを元の世界へ戻せるように、自分自身も元の世界へ戻れるかもしれない。しかしそうしたらひとり残されたクリスマスと再び離れることになる。天箕博士はそんなクラウの葛藤を受け止めつつ、リナクスとなった今のクラウと会えて嬉しいと告白する。どんな形であれ、成長した娘と再会できたことは父親としてこの上ない喜びなのだ。「何故逃げ出したの」自由になりたいリナサピエンとリナクスに侵される人間。アヤカはダグに「力が憎いのか」と指摘される。平和な家庭を圧倒的な暴力で蹂躙された過去を持つアヤカは、人間を侵食し、分解してしまう強大な暴力を振るうリナクスの存在が許せないのか。
 設定の謎が少しずつ明かされる一方、各キャラクターの感傷的な部分を掘り下げる展開となっていました。それぞれが己の傷に向き合う暇を与えてもらえず、追い、追われ、庇う。傷つけあう悲劇を止める事は出来ないのか。