ブンビーさん、ありがとう。その一言の持つ重さ―Yes! プリキュア5 GoGo!

ブンビーさん、ありがとう

 プリキュア5シリーズの裏主人公とも言える目立ち方をしてきたブンビーさん。Yes! プリキュア5では中間管理職の悲哀が描かれ、続くYes! プリキュア5 GoGo!では雇用問題という子供番組ではなかなかに世知辛い話を背負わされた彼の、踏んだりけったりな毎日はこの言葉で救われたといっても過言ではないでしょう。
 道案内を引き受けてくれた彼への感謝の言葉、そしてのぞみの朗らかな笑みに、僕のようなおっさんも救われた気分になりました。プリキュアよりブンビーさんの年齢に断然近いわけですから……。*1
「ありがとう」の言葉もそれはそれは重みを持ったものですが、それ以上に、彼のことを「ブンビーさん」と呼んだ事に何より意味があります。
 プリキュアの諸君は、それがスコルプであろうとアナコンディであろうと館長であろうと、エターナルが現れたら開口一番こう言います。
「エターナル!」
 エターナルの面々は、個々の名前を呼ばれることはありません。彼女らにとって、個人名などは何の問題でもなく、ローズパクトを狙う者として彼らをすべて処断します。*2だから、ひとりエターナルに疑問を持ちながら、それでもローズパクトを狙うしかなかったブンビーさんも例外ではなく、「ブンビー」ではなく「エターナル」と呼ばれます。
 そのことの、何たる寂しさ。しかし。だからこそ、

ブンビーさん、ありがとう

 このセリフの重さが際立つというもの。だって2年だよ!2年かかってやっと名前を呼んでもらえる仲になったんだよ!不遇キャラ、みんなのブンビーさんが最も輝いた瞬間でした。

 こう考えるとプリキュア5シリーズは厳しいよな、ヒーローからの歩み寄りが一切ない。初代プリキュアプリキュアSSは、プリキュア側からの説得があったり、それによってプリキュアに並ぶ存在として共に戦うキャラが出てきたりしますが、プリキュア5シリーズにはそのようなプリキュア側からの歩みよりはありません。エターナル*3は純然たる悪であって、一歩も譲歩出来ない存在として彼女らには映っているのかもしれません。
 そして、敵味方とも譲歩を知らない作品において、ひとり境界線を越えた男、ブンビーさん。彼の勇気に、僕たちもこの言葉を送りたい。 

ブンビーさん、ありがとう

*1:実際いくつくらいの設定なんだかわかりませんが、まあだいたい

*2:ちょっと言い方が厳しいかな

*3:あるいはナイトメア