アニメ好きを読む アニメ各話感想サイトのすすめ

http://d.hatena.ne.jp/jujuru/20120608#p2
前回の続きです。前回の「書く」のつづき、「読む」についてのじゅじゅるの提案です。

アニメの感想形態は様々ありますが、そのうち、多くの人に最もなじみ深いだろうもののひとつに「各話感想系」というものがあります。
かつては隆盛を誇っていた形態ですが、今は元気をなくしています。(自分もそうです)

各話感想系とはなにか。
文字通り、各話の感想を書くアニメ感想スタイルを指します。12話のテレビシリーズなら12本、50話のテレビシリーズなら50本の記事を書く計算になります。
これを毎週行う行為が各話感想系。数話ためて、それらを一気見して話数分の感想をあげるタイプも、おおまかにはここに入ると思います。
また、このスタイルは1クールに複数のシリーズを抱えるケースが多く、2、3シリーズを集中的に扱う方もいれば、「自分の地域の放送局からはぶれてなければ、新作は全部見てほぼ全部書く」という、超ストロングタイプの方もなかには存在します。

この後者の、通称「多量見」の比重が各話感想系には多く見受けられます。しかしこの場合、自然と一記事に割くリソースが減り、結果的に短文・キャプ重視の記事に傾きやすい、という欠点を抱えがちです。
ブログ黎明期以前から栄えていた各話感想系ですが、ブログという形態が成熟し、文章書きのレベルがあがったことで、あらすじを書き連ねたり、キャプが貼ってあるだけの各話感想系は読み物として飽きられてしまいます。そして書き手も、読者減少や体力・気力の減少、環境の変化などによってそれまで自分を支えていたアニメに対する情熱が冷えると、生活の一部でさえあった「毎日感想を書く」というスタイルが苦痛でしかなくなり、ブログをやめたりツイッターなどのSNSへ移行していきました。

では、各話感想系はこのまま滅び行く運命なのか。
いつかは、そうなるのかもしれません。
しかし、そうした状況を生き延び、考察・分析・批評ブログ全盛期にあっても各話感想系を続けている人たちは、毎週すてきな記事を届けてくれています。そのような人たちには彼ら独自の感想スタイルが存在します。その風変わりで多様な感想スタイルも各話感想系を読む楽しみのひとつですが、ここでは「これから各話感想系を読む人たちのための、各話感想系ブログの読み方」について書いていきまたいと思います。

アニメを読み解き、新たなる視聴スタイルを指し示す考察ブログとは違い、各話感想系は非常に素朴な記事が主です。そのエピソードを見てどう感じたのか。何が良くて何が悪かったのか。誰が可愛くて誰が嫌いか、という率直な意見。
毎週かかさず書くものですから、前の週と次の週と感想を並べたときにつじつまの合わない感想が書かれているときもあります。しかし、そのぶれこそが面白いのです。
たとえば。
先週はAというキャラが嫌いと書いたのに、今週はそのAがかわいすぎてもだえる、と記されている。読者としては二つの視点からこのぶれの指摘が可能です。
Aの心境等の変化から、周囲に対する反応が変わり(物語内での描かれ方が変わり)、キャラの見え方が変わった可能性。
先週と今週では書き手の視聴状態が異なり、Aの描写に一定の理解を得た可能性(物語の外からの干渉)。
たいていは前者の可能性ですが、各話感想系ではまれに後者のケースが記事に反映される場合もあります。
例えば、一週間の間に原作本を読了した、とか。ちょっと仕事先でこの登場人物と似たような経験をしまして、とか。
物語の外からの干渉がブロガーのアニメ視聴スタイルが変わってしまうというのは読者にとっては想定外の出来事で
前者の場合なら、話数を重ねるにつれて真相が明らかになっていき、物語側から誤読が指摘されていくこともあります。

1シリーズ12話、3ヶ月の期間があると、ブロガー側にも心境の変化が起きます。
その都度作品に対する立ち位置が微調整され、結果、最初とは違うアニメを見ているんじゃ?というような「ぶれ」が記事に反映されていきます。
毎日毎週書かれているものだから、その人の心境の移り変わりも体験することになる。
このブログに1年間通い続けていたら、どんな景色が見えてくるだろう。
「アニメ好きのアニメ語り」を通じて「アニメ好き」を読む。
これっておもしろくないですかね?
各話感想系は、元をたどれば「ウェブで日記を書く」「ウェブ日記からそのひととなりを読む」という行為から派生した感想形態です。なので、書き手のその時々の気持ちの変化がダイレクトに現れるものだったのです。
そのような、一旦誰かのフィルターを通過したアニメ感想に浸るのもまた感想の楽しみ方かなーなんて思ったりもします。