ガラガラ
長官「こんちゃー」
女将「あらゆっきー、いらっしゃーい」
長官「おひさー。よっこいしょーいちっと」
女将「ゆっきー、今日はご機嫌ねー?」
長官「いやあ、明日から連休なんだよ。ほら、この商売、GWとか休めないからな。もう明日は昼間から家飲みだな」
女将「大変なお仕事だものねえ。じゃ、今日は何から行っちゃう?ルービー?チンカチンカのルービー?」
長官「んーそうだなー。じゃあ、ソルティドッグ」
女将「えっ!?」
長官「ソルティドッグ」
女将「いやいや、ちょっとまって……」
長官「(調理場に向けて)ソルティドッグ一丁!」
店員A「ソルティドッグいっちょー!」
店員B「ソンソンッッッショー!」
長官「ファミコンか?」
女将「あ、あああ……(ガクガク)」
長官「何なん、さっきから。何なん」
女将「あのさ、ゆっきーさ……。なにかとごっちゃになってるの?」
長官「んん?」
女将「ほら、例えばね。エレベーターとエスカレーターって時々どっちがどっちか分からなくなるでしょ」
長官「んー、あるかも」
女将「どっちが昇るやつでどっちが降りるやつだったっけ?って」
長官「どっちも昇るしどっちも降りるなー」
女将「なるほろ」
長官「なるほろいうな」
女将「なるほろ・ザ・ワールド!!(ビシッ)」
長官「……うん。いいから」
女将「ここから本題ね」
長官「うん」
女将「アメリカンドッグとホットドッグ、どっちが食べたい?」
長官「うん?……まあ、ホットドッグかな」
女将「だしょー!」
長官「だしょーいうな」
女将「じゃあ、フレンチドッグと秋田犬は?」
長官「ええ!?いや、後者は無いかな……」
女将「前者も無いでしょ!?」
長官「いやー、たまに食べると美味しいぞー?」
女将「やだ……。こんなゆっきーみとうなかった……(距離を置く)」
長官「何なん。このざわつく感じ、何なん」
店員A「ソルティドッグおまちしゃーしたー」
スッ(グラスが差し出される)
長官「お、きたきた」
女将「ああー!!」
長官「うるっさ!」
女将「ああー……。ごめん、ゆっきー!ほんとごめん!」
長官「今度はなに……?」
女将「いやー、そうか、そっちかあ、盲点だったー!」
長官「盲点とは。……あ、いや、やっぱやめて」
女将「いやほら、私てっきりさ、塩焼きの」
長官「やめろ」
女将「塩焼き」
長官「やめて。ほんとやめて。今鳥肌立った。うっわー、ざわわってなった」
女将「あらー……。うん、いやな事は呑んで忘れよ!ね!」
長官「いやもう、自分で言うなよー。もうなにー、酔わないとやってられん!」
グビグビ、ッターン!
長官「チンカチンカのルービー!!」
女将「チンカチンカのルービー入りましたー!」
長官「あと焼き鳥!」
女将「塩焼き美味しいよー」
長官「た・れ・で!!」
そしてたまきの夜は更けていく。