アニメ「ケロロ軍曹」のおどろきパロディ3選

アニメ「ケロロ軍曹」には様々なパロディが織り込まれています。
その中から、個人的に「これはすごいリスペクトだ」と感じたパロディをみっつご紹介します。

 

 

・アニメ版デスノート最終回
第185話「ロボボ 機械化大作戦 であります/タママ ノートですぅ であります」(アニメ第185話 Bパート)
DEATH NOTE 最終回より


その精緻な絵柄とキレのあるセリフなどで、のちの漫画やアニメに大量のパロディを生んだことでも知られる「デスノート」。
本エピソードはまるまるデスノートパロディで構成されています。デスノート的アイテムを拾ったタママが暴走した結果、月くん的な最期を迎えるまでを半パートで描いています。
本エピソードのパロディが他のデスノパロディと一線を画しているのはアニメ版最終回をパロってきた点にあります。
アニメ版デスノートは原作のラストとは異なる、銃弾を受けて逃げ惑う孤独な月くんの姿はあまりに憐れで、そのアニメオリジナルの解釈に対し批判もあり、一方で絶賛もありました。波頭の夕暮れが、青春を賭けた歪んだ情熱の放つ最期の輝きとなり彼に降り注がれ、色濃く影を作ります。アニメ制作陣の、原作への迸るリスペクト溢れる名シーンだと僕は思います。

印象的なシーンなのですが、賛否あるラストシーンの改変とあって、パロるには勇気のいるシーンでもあったかと思います。
しかし、元ネタを知らない人にも、ひとつかみの哀愁を漂わせるタママの末路に、アニメデスノートが最後に魅せた熱量は伝わったんじゃないでしょうか。それほどに力の入ったパロディです。煙突のてっぺんでタママを見下ろしながらカレーを怪しくむさぼるクルルが芸コマです。

 


ナウシカ王蟲と破片
226話「冬樹 遠い海から来たカメ であります」
映画・風の谷のナウシカより


「薙ぎ払え!」や火の七日間等、パロディされた例は数知れず。不朽の名作「風の谷のナウシカ」のパロディです。
今回は、風の谷のナウシカの前半部分の見せ場のひとつ、暴走王蟲を鎮めるため、単身メーヴェを駆るナウシカのパロディです。

このシーンは、ユパさまに迫り、追い越すメーヴェが反転し、木々を粉々に凪ぎ払いながら王蟲メーヴェに肉薄する描写をワンカットでおさめた大変重たいカット。特に、ひとつひとつ描き込まれバラバラに飛び散る破片の物量に驚かされます。

これをケロロ軍曹は完コピしてしまうのです。テレビアニメの枠内で!

上記の比較画像からもそのとんでもなさは伺えます。原典への敬意。パロディはこうだ!と叫んでいるかのような、ケロロ軍曹スタッフ渾身の回答。

是非堪能していただきたい。

 

 

・宇宙渡辺久美子
第66話「ギロロ 愛の救出大作戦 であります/夏美&小雪 ドッキドッキ初デート であります」(アニメ第66話 Aパート)

……これはアニメパロ、というか人物パロというか。変化球です。
アニメ版「ケロロ軍曹」において切っても切れない存在のひとつに「機動戦士ガンダム」が挙げられます。
軍曹がガンダム好きなのはもちろん、劇中で登場するガンプラの数々にニヤリとしたガンダムファンは少なくないはず。
ガンダムパロディはケロロ軍曹はもとより、様々な作品でお目見えすることが多いのですが、そんな中、ケロロ軍曹でないと難しそうなパロディがこちら、「宇宙渡辺久美子」です。
渡辺久美子さんは本作の主人公・ケロロ軍曹の声優さんであり、且つ、「機動戦士Vガンダム」で個性的なヒロインとして印象の強いカテジナ・ルースの声をあてた方でもあります。
両作品のファンならば、いつVガンダムパロディが飛び出すかやきもきしていたことでしょう。僕もそう。
ケロロ軍曹のレギュラー陣は名作アニメに関わった人も多く、例えば草尾毅さんにスラムダンクネタが振られる事も。
そんな伏線?があり、シリーズも二年目に突入。ファンからの熱いエールが最高潮に達した頃に繰り出されたパロディが「中の人の宇宙人バージョンの登場」という超変化球。
大興奮の軍曹(CV:渡辺久美子さん)を尻目に、サッとサインを書き、名台詞「冬が来るとわけもなく悲しくなりません?」を残して颯爽と去っていく宇宙渡辺久美子(CV:渡辺久美子さん)。
渡辺久美子にサインをする渡辺久美子……。自分でも何を言っているかさっぱりわかりませんが、このような異次元パロディが成立するのもケロロ軍曹の強みでしょう。

 

 

原典へのリスペクトを元に、あの名作のあの名シーンが見事に再構築された姿を目撃したとき、私の胸に去来する懐かしさ、そして新しい驚き。私の好きだったアニメがあの頃とはまた違う形で世に問われたとき、去来する戸惑いとともに、新しい風を感じてみたい。そんな風に思うのでした。