BanG Dream! 2nd season #5 雨のRing-Dong-Dance

 

 

 

 

 

 ……このように、事あるごとにゆら・ゆら好き好きアピールしてきた私ですんで、前回の次回予告ですでに一度死んでいるわけです。(死因・嬉死)

ゆら・ゆらは千聖を完璧な才女と見誤った彩(を代表としたパスパレメンバー)と、表層をなぞっただけで自分がどういう人間か決めつけられたと激昂する千聖のすれ違いを描いたイベントストーリー「つぼみ開く時」のテーマ曲で、すれ違って、それでも惹かれ合い、飛び立つ姿を描いた彩と千聖のデュエット曲です。

 

今回は、そんな背景を持つ楽曲を意識したサブタイですから、パスパレ回といいつつも、彩と千聖の「その後」を、あの頃をリフレインする形で描いているわけです。

白鷺千聖は苦悩する姿を(仲間にすら)見せたくないし、なんだったら犬の散歩をしたいから早く帰ります、という事すら言えない人です。それは隠し事が多いとか仲間にすら素顔を見せたくない、というよりは、周りの無言の要請に従って完璧を演じてきた過去の自分の習性が抜けきっていないと言えるのではないでしょうか。時を経て、壁は徐々に薄くなっていってはいるのですが、なくなったわけではないのです。今回のエピソードはそこを引きずりながらも、むしろ彩に対する強いリスペクトがゆえの行動だったと明かされていきます。

 

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「無理しないでくださいね」

弦のくたびれ具合から千聖が「無理をしている」事を察した麻弥さん。スタジオミュージシャンの経験のある麻弥らしい気付き。あまり大事にせず、さりげなくエールを送るのが縁の下の力持ち気質の麻弥さんらしくて良いですね。

変わったのは千聖や麻弥だけでなく、メールで「大丈夫?」と送る程度にとどめた彩もそうでしょう。昔だったらもっと質問攻めにしたのでは。

 

ベースとボーカルの兼任に苦戦していることをおたえに打ち明ける千聖に(おたえには言えるんですよ!これはパスパレメンバーが信用できないってことじゃなくて、信用の形はそれぞれ違うって事でしょうね。付かず離れずの距離感のあるおたえにだからこそ打ち明けられたのかもしれません)、ボーカル兼ギターを務める香澄の負担について「話し合って」パートを考えてる、とポピパの内情を話すおたえ。「ツインギターだからできることね」と返す千聖におたえは続けて、

 

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ツインボーカルではできないですか?」と投げかけます。アニメ一期からそうですが、音楽についてはほんと鋭い発言が目立つおたえです。おたえはこう、ソロで活躍する場面がたまにあって(ガルパのポピパバンスト二章とかが顕著)、エキセントリックなようでいても、彼女の経験則(ライブハウスでのバイト等でいろんなバンドのあり方を見てきた事とか)がちゃんと活かされているんですよね。

 

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ここ好き。

 

校舎裏に呼びつけたおたえにワイロを握らす千聖さんぱねえっす。イヴの「やまぶき色のお菓子」って言い回しが可笑しいですね。

 

千聖はどれだけ練習したかお客さんには関係ないという理屈を展開、そこにすかさず「彩先輩たちにもですか?」と返せるおたえはほんと鋭いとこ突くんですが(「今お客の話してませんよね、話ずらしてますよね」ってことですよね)、そこで一緒に悩むのがポピパだけど、パスパレにおける千聖はなんでも出来る日菜やスタジオミュージシャンの経験のある麻弥のような「やれる側」ではなく、彩と同じく「やれない側」に立っていて、そこには明確な線引きがあるように捉えているんじゃないでしょうか。だから「足を引っ張りたくないから影で練習する」という発想になる。できない分はみんなでカバーしようとするポピパ(アニメ第一期11話「歌えなくなっちゃった!?」を参照のこと)とはそこが違う。仲間だけどライバルなんですよ。

 

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この日菜の「ふ〜ん?」は「大体わかった」という意味です。こやつの前で内緒事はできません。今回は控えめの出番でしたが、この人はなかなか「すごい」人なので、気になる方はガルパやって欲しい。

 

『アイドル・丸山彩』の横に並ぶ自分は完璧でないといけない。「出来ない」を「頑張る」の一点突破で覆してきた『丸山彩』は、素顔を女優の顔で覆い隠し手練手管で芸能界を生き抜いてきた千聖が見つけた光であり、彼女に並ぶためには「本当の自分」でぶつからないといけない。

 

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彩が千聖に対してそうしてきたように。

 

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雨は彩と千聖の原点を象徴しています。雨の中、ずぶ濡れになりながらライブ告知チラシを配る彩の姿に心打たれたあの日を彷彿とさせる。そして、ふたりのすれ違いと羽ばたきを歌った「ゆら・ゆらRing-Dong-Dance」と合わせて「雨のRing-Dong-Dance」。何度も衝突し、その度に原点に戻る。その繰り返しの中で彼女たちのパレットはより彩りを増していく。きっとこれからも。

実にパスパレらしい、瑞々しいエピソードでした。