じゅじゅるさん。2

じゅじゅるのへたれ感想ブログ

映画「天気の子」 〜地を這うように、空を目指す〜

島育ちの穂高は光に触れたかった。

 

雲の晴れ間を追い、東京までやって来た彼は、歌舞伎町の不衛生な環境の中、必死で這いずり回った。彼は東京に来たがっていた。あの光に触れるために。しかし、当座の金を手に入れるため、グレーな仕事を必死でやっているうちに当初の目的を失った。浮き足立っていた。

 

そこに現れる少女、陽菜こそが光だった。

 

あの時島で追いかけていたそれのように、きらきらして、近いようで、どこか遠い。

彼女は行き詰まっていた。彼女もまた、地べたに近い人だった。

ここは正しさが支配する街。穂高や陽菜にはずる賢さが必要だった。あるいは豆苗のような逞しさが。

 

穂高を拾った二人の大人。彼らは優しい人のようでもあり、また、自分の欲求に素直な人たちでもある。彼らとの疑似家族はやすらぎではあったが、それぞれが違う目的で動く。

人々をつなぐロケーションは路地と、半地下の事務所、そして陽菜と凪の慎ましい部屋。じめじめした雨を避ける場所もやはり湿気ていた。

 

光はここにある。穂高は恵まれていたのかもしれない。いつでも、島で見たあの光景に出会える。そして甘えもあった。大事なものは、いつでも抱えられるようにしていないといけない。光とは、儚く脆く、そして最も大事なのは、永遠ではない。

 

東京には結界がある。堅牢で、静謐で、清潔なビル群ははぐれものを寄せ付けない。路地裏の地べたを這う人々は、帰り道に迷わぬよう、ネオンの光を道しるべにする。偽物の、極彩色のビームを浴びて、ひと心地をつける。

 

「今の子ども達は気の毒ね」

正しい人の、これは束縛の魔法だ。どんな「今」であろうと、子どもは生きる。それしかない。しかし、哀れみの言葉は空虚ゆえに、ぽっかり空いた胸の穴に隙間風を送り込む。大人にもやるせない空気を伝播させる。

 

無理解が壁を作る。無情が蹴りを入れる。無責任が居場所を奪う。

抗うのに必要なのは、足だ。 

 

穂高は走る。

誰かの手は借りても、無策でも、地面を蹴るしか先へは行けない。路地裏を、繁華街を、雨の歩道橋を、延々と歩いた。ようやっと転がり込んだホテルで雨を凌ぎ、暖かい湯とコンビニの「ごちそう」で、冷え切った体にエネルギーを蓄えた。今がその時。 

 

僕は、あの塔まで行くんだ。

 

地べたを這いずり回った足だ。闘士の足だ。

視線は常に上を向き、しっかりと地を蹴る。

そう、穂高は光に触れたかった。そのために必要な足を、東京で手に入れた。全部、無駄じゃなかった。

 

選択は成された。良いか悪いかはわからない。しかし、胸は痛んでも後悔はない。たくましく生きる人々に背中を押される。そう、穂高は再び東京にやってきた。

 

その祈りは誰がために。この高揚はあなたのために。

今、光は地に落ちた。大いなる影とともに。

もう迷わない。もう手を離さない。

決定的に変わってしまった世界で、変わらないものに、もう一度出会えたのだから。

BanG Dream! 2nd season #13 キズナミュージック♪

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この楽屋でのわちゃもちゃ感いいよね。全員好き放題動き回ってて大変なことになってます。

 

いろんなことがあって遂に迎えたポピパ主催ライブ当日。

 

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ここすごい声出てたな……。

 

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とっておきのはずの「Returns」を一発目からぶっこむ!

これを端緒として、他バントに火をつけることに。全バンドがセトリ完全無視で新曲を頭に持ってきて場を引っ掻き回します。そこには打算も何もなく、今できる全力をぶつけるだけ。

各バンドのライブを見れば、ポピパの目指した「ポピパらしい主催ライブ」が見事形になったと断言できます。全ては音楽で、ただ、がむしゃらに楽しむ。

 

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さすがにマジで飛ぶとは思いませんでしたけど!

 

それぞれの「本気」がぶつかりあう中、特筆すべきなのがRoseliaの「FIRE BIRD」でしょうか。

 

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エレガがXJAPANやってみた!という趣きの、非常に挑戦的なナンバーです。これリアルライブでやるのか、めぐち大変なのでは(たぶんみんな大変)。2019年はRoseliaにとってさらなる飛躍の年となるでしょう。

歌詞ですが、本作のテーマであろう「絆」が含まれていたり、「何度も歌い強くなった」などなど、Roselia自身やポピパが辿ってきた軌跡を歌い、傷つきながらそれでも飛翔しなさい、という、ポピパに対する叱咤激励のようにも受け取れます。

「BRAVE JEWEL」といい、既存曲の「Determination Symphony 」といい、今作で歌われた彼女たちの歌は、彼女たちの言葉より雄弁に、ポピパを支え、見守ってきました。ぜひみなさんもそれぞれの歌詞と、デタミの使われた箇所をもう一度再見してみてほしいです。

 

バンドリ第二期は言葉足らずな部分が多々あり、それらはポピパだけでなく多くの登場人物の未熟さの象徴なのですが、その足りない部分を、彼女たちの青春を賭けた音楽で伝える。そういう場面がたくさん見られました。

 

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りみりんの可憐な指さばき。パースの効いたベースがカッコ良い。

 

本作は(ほぼ)全面CG作品で、演奏シーンはダイナミックに、かつ細部まで繊細に描かれていました。 ほんとにライブハウスにいるような気分でした。はあ、今度は生でバンドリライブが見たいなあ(いつもライブビューイングなので)。

 

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さて。アニメバンドリ二期は春の嵐のように終わっていきました。チュチュさまかわいいなあ。

 

ありったけのライブシーンとありったけのキズナを見せられ、大変満足なのですが、裏の主役とも言える六花はいまだバンド結成に至らず、RASのメンバーがどのように集まったのかは謎のままです。既報ではあるのですが、アニメバンドリは三期が控えています。来年1月からということですが、そこでどのように語られるのでしょうか。RASの物語は月刊ブシロード誌上で描かれている最中ですが、アニメでも見てみたいものです。もうどんどん引っ掻き回してください。その間我々ファンはリアルライブにガルパにラジオと、他メディアで存分に楽しんで待つこととします。

 

総評。

新学年となり、生活環境が変わる中、次なる試練を与えられたポピパ。思いは同じなのに同じ方向を向き合えない。彼女らは同じバンドの仲間だけど、当然それぞれ別の人格を持っているわけです。おたえの抱える焦燥感も、沙綾の不安も、それぞれ別の道を進んできた別の人間から生じたもの。欠けた部分は支え合えるけど、どこまで踏み込んでいいか逡巡する場面も多々見られました。感情のまま叫びそうになる自分を抑える有咲とかね。

それらすれ違いを解決するのはやはり歌でした。直接言葉では語らない、それはいびつなコミュニケーションかもしれません。しかし、彼女らはそうして進んできた。今までもそうだったし、これからもそう。そういう話だったんだと思います。キラキラドキドキは、歌に全て閉じ込めた。ステージは瞬く間に終わり、また始まっていく。そういう今しかない瞬間瞬間を、我々は目撃しました。ありがとう。

 

あ、新しく始まったRASのラジオ、かなりやべーやつらのラジオになっていますんで、一度聴いてみてください。

 

ではみなさま、三期でまた会いましょう。 

BanG Dream! 2nd season #12 Returns

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はしゃぐ沙綾がめちゃんこかわいかった!

この子は自分を抑えるのが得意な子だから、こういうとこ見るとホッとしますよね。そういう子だから目が離せないというか、ここまでの記事読んでもらえればわかる通り、沙綾の話に寄りがちなんですよ……。

 

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「ずっと古いの使ってたでしょ」

沙綾のことだからCHiSPA時代のを今の今まで使っていたのかもしれない……。

第二期シリーズ後半はおたえがポピパを選ぶかRASを選ぶか、って話が中心だったけど、おたえだけじゃなく、みんなが真の意味で「ポピパになっていく」話だったのかな、と思うのです。だからこの新しいスティックに変えるという小さなエピソードも、CHiSPAを本当の意味で卒業していく、Poppin’Partyの山吹沙綾に生まれ直す儀式のように見えましたね。

 

前回、おたえのソロに応えてキーボードを弾いた有咲、ひとり怖がっていた沙綾を引っ張ってきたりみ。彼女らは主催ライブにおいて、目立たない地味な裏方を引き受けていました。引っ込み思案なふたりが外の人と関わってポピパを支えていたんですね。

そして、RASでの活動を経て、ポピパのメインギタリストとして新曲を作ったおたえ。

 

……という流れを受けて、おたえから、いや、みんなからバトンを受け取った香澄が歌う新曲「Returns」。

 

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愛美さんの、この声を抑えた、胸に溜め込むような歌い方はちょっと彼女から聴いたことなくて、すごくびっくりしました。それなのに硬さがなくて、肩の力が抜けたような自然体でもある。

万感の想いというか、ふたたび全員が揃い、ポピパに帰る、「Returns」していく。

 

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ギターの音色だけが響くステージで香澄が紡ぐ、おたえが本当に伝えたかった言葉。

一期の「私を震えさせて」に応えるフレーズですね……。 

 

さあ、残すところあと1話。心震えるライブが私たちを待っています。

 

 

おまけ

 

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これほんとに切なかった……。技術云々だけじゃなくて、ほんとにおたえのこと気に入ってたんだろうな、チュチュ。 帰ってこないことを察していながら飾り付の手伝いをするレイもね……。ポピパ主催ライブ、本当にいいものにしてほしい。

BanG Dream! 2nd season #11 ホシノナミダ

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「今すぐ決めなくていいんじゃない?」

「もっと、ちゃんと考えたほうがいいと思う」

 チュチュから正式にRAS入りのオファーを受けるおたえ。同席したポピパの仲間は「保留」を選ぶ。おたえとしては断るつもりだったろうし、みんなも同意してくれると思っていた。しかし、RASのステージに立つおたえを見た4人の脳裏にはおたえの、彼女たちと歩む以外の、別の未来像が浮かびあがってしまう。ポピパより圧倒的に実力のある、おたえに見合った場所。ポピパよりずっと前に出会って約束しあった友達のいる場所。そして何より、チュチュには明確なビジョンがあり、本気でおたえを欲しがっている。それが分かってしまった今、何かを言う権利が自分たちにあるのだろうかと。

おたえを想うからこそ、おたえが欲した言葉を言い出せない。つらいですね……。

 

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 一期4話大好きマンとしてはここからの「きらきら星」はたまらんすね……。香澄のギタリストとしての歩みを間近で見続けたギタリストおたえ。彼女しか知らない戸山香澄をリフレインする。

 

その頃香澄はギャラクシーでの打ち合わせでぽつりと「ポピパはポピパだよね」とつぶやく。それを受けて興奮気味にポピパを語る六花。徐々に、少しずつ、ポピパの骨格に肉付けがされていく。前進と後退を繰り返しながら。

 

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 「STAR BEAT! 〜ホシノコドウ〜」で振り返らないでくれ、泣くから。

ここでこの曲って、いろんな解釈ができて面白いですね。

ひとり願い歌ってた日々は終わり、指をつなぎ歩き出す。そして昨日までの日々とサヨナラする。それはポピパ結成までの物語。でも今ここでこの曲を歌うと、ポピパとしてともに過ごした日々が、このキャプ画のように淡い色合いの「昨日までの日々」になってしまうかのようにも解釈できる。でも、香澄はおたえとりみと沙綾と有咲と自分でポピパだと言った。その意味を噛み締めてこのスタビを聴けば、香澄が本当に言いたかったことがわかる。一心不乱に歌詞を書き出すおたえ。それは香澄のスタビへのアンサーソングでした。

 

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おたえは歌う。ポピパを「昨日までの日々」にしないために。これからも続くのだと、手を伸ばすように。ポピパは「帰る場所」で「たったひとつの星」。遠く離れても、また指をつなぎたい。いや、離れてなんかいなかったんだよね。いつでもお互いのことを考えてた。ただ、考えすぎて、何かできないかと焦燥感に襲われ、それで遠い空ばかり見上げて、ほんの少しつなぐ力が緩んだだけなんでしょうね。

歌には歌で。おたえらしいよね。いつもは言葉足らずを叱られるおたえ。でも彼女には歌があった。みんなにもあるようにね。 

 

それぞれの不器用さと真っ直ぐな想いにうるっときました。

香澄の変顔で笑いに変えてしまうのも、彼女ららしさなんでしょうね。
 


おまけ

すげえメタ的なのですが、チュチュが差し入れしたわっかのマカロン、上松さんがバンドリライブの際にいつも差し入れするものなんですってね。

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「バンドは円が大事」

そうなんすよね……。5人で指をつなげば円だから。今回のエピソードではそれに加えて「縁」とかかっているのかもしれませんね。劇中ではマカロンに触れていませんし、ただのシャレなのか意図あってのことはわかりませんから、まあ妄想ですが。いろいろ考えるのは楽しいよね。

BanG Dream! 2nd season #10 R・I・O・T

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「私たちなら、大丈夫だよね」

自分に言い聞かせるようにつぶやく沙綾。前回でも同じような場面がありましたね。今は信じるしかない、自分たちの絆を。

一方、りみは「わたし、何ができるのかな」と自問しています。一期から成長著しいりみは彼女なりに使命感を抱いています。

お風呂で物思いに耽る香澄を映してRoselia版OP「BRAVE JEWEL」へ。”弱さを知る者は強さを宿す、あなたは手にしているから……”  どうか気付いてほしいですね。

 沙綾と朝、顔を合わせる場面もお昼休みも、気まずさを払拭しようと口数が増えてるのがりみ。どうにか和を取りなそうとしている。ほんと偉いと思うし、ほんとびっくりするくらい成長した。

 

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「わたしは本気でやってるの! そんな素人の腰掛け程度でやられると大迷惑なのよ!」

もちろんおたえも本気でサポメンをやってたはず。でも、おたえとチュチュでは本気の意味合いが違う。チュチュは観客と戦っている。自分の音楽が通用するか世間に問うている。自分の技術を磨くことで精一杯のおたえには自分しか見えていない。そんなすれ違いがあります。

 

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「泣いてねえ」

いい人過ぎだよな、マスキングさん。ケーキ焼いてくれるしリクエストにも答えてくれる。狂犬なのはマジでステージの上でだけなのな。

 

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その狂犬ぶりを抑え、自らが志向する「シンプルイズベスト」に導こうとするプロデューサー・チュチュ様。狂犬さえ黙らせる胆力を持ち合わせています。

この風景はまさしくプロのそれで、今まで登場してきたガールズバンドでは見られなかった風景。おたえがここで得るものは確かに大きな収穫となるでしょう。学生同士がああでもないこうでもないと試行錯誤するガールズバンドとは確かに一線を画している。世間へ打って出る為には、バンドを俯瞰で見て、必要なものは取り入れ、不必要な要素は切り捨てる……。時には非情な判断を下す存在が必要となるのでしょう。Roseliaが本気で頂点を目指すのなら、いずれは有能なプロデューサーとの出会いが必要になるでしょうか。と書くと、チュチュ様がドヤ顔しそうですが。

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いままでの出番の少なさを払拭するかのようなオタク特有の早口を披露する麻弥さん。「イケニエです!」イヴさんのワンポイント投入もナイス。

 

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 今回圧巻だったのはなんといってもついにお披露目となったRASのライブシーン。照明演出ががっちりハマり、レイの髪をかきあげる様子とか、それぞれのしぐさなども実に生々しく描かれています。

 

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パレオはこのように、切り取ればかわいいポージングをしてくれていたりしますが、

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このように鬼神の如き激しい動きをかましてくれます。

 

僕は「THE THIRD(仮)」時代の彼女達しか見ていませんが、「やべーやつらが来た!」と衝撃を受けたのを覚えています。演奏が始まるととにかくガツガツやる。熱量が半端無いんです。アニメで描かれるRASのライブは今までのポピパやRoseliaがそうだったように、実際の演奏を参考に描き起こしたものと思われ、そのヤバさが十分伝わるものになっています。

 

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バンドリちゃんねるさんはライブ映像あげてくれるからマジ助かる……。なんとフルです。

こちらは小原莉子さんと紡木吏佐さん加入後の映像ですね。3次元RAS(及び前身のTHE THIRD(仮))はサポメンの大塚さんが単独1stまでギターをつとめ、その後正ギタリストに小原さん加入、のちにチュチュ役でDJの紡木吏佐さんが最後に合流して今のメンツに、という流れです。

この映像だとちょっと暗くてわかりにくいのですが、サビ前のヘドバンしながら弾くのもそのまんまです。Raycellさんの髪かきあげもそのまんま!

この動画と併せて見るとポピパのみんなが圧倒される理由が肌感覚でわかりますよね……。3次元も二次元もやべーやつらなんだ!

 

その「やべーやつら」と肩を並べ、同じように喝采を浴びる側におたえはいるわけです。ポピパのみんなが意気消沈するのもわかります。

 

おたえはライブの最後に今回でRASとしての活動を終了する旨を改めて表明。観客の感謝の声とともに聞こえる「やめないで」が胸に刺さりますね。

 

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「タエ・ハナゾノを私たちに譲ってくれませんか?」

ポピパはどう答えるんだろう。RASとして演奏するおたえは今まで見たことのなかったおたえだった。おたえの、ポピパ達が知らない「新たな可能性」を引き出したのは、間違いなくチュチュとRASだった。

最強に、キズナは敵うのか。最強の一端を知ってしまったおたえはポピパに戻れるのか。ポピパの真価が問われます。

 

友希那につっかかってあしらわれた時とは違い、音楽でねじ伏せるパワー系で挑んできた。チュチュは不遜だが、自分の持ちカードを全て場に出し、本気でおたえを手に入れようとしている。ある意味では誠実であるとさえ言える。姑息な手段を講じているわけではない。では、ポピパに出来ることは? ポピパらしいステージでRASをねじ伏せる? うーん。

ポピパだからおたえは本当に輝けるんだ、ということを示されなければならない。難題です。

 

でもその前に……。おたえ、あなたの気持ちが何より大事だ。ポピパとRASのたすきはおたえが両方とも握っている。それをどちらに渡すのか。僕にはポピパにはRASにない魅力を感じていますが、しかし、RASにはオーディエンスを圧倒するパワーがある。そのどちらが優れているかではない。もう単純に、おたえが心に従い答えを出すべきこと。チュチュの強引さにひれ伏すのでもなく、友達の悲しむ顔に引き摺られてもいけない。

彼女を真にドキドキさせるサウンドとは何か。最終的に決めるのはおたえです。どうか後悔のないよう……。

BanG Dream! 2nd season クライマックスに備えてチェックしておきたいブログ・動画・ラジオ紹介

今回はちょっと趣向を変えて。

クライマックスに向けてクローズアップされる花園たえについてより深く理解できるようになるかもしれないネット上のコンテンツをいくつか紹介します。

アニメ二期はおたえ役の大塚紗英さんのこれまでの歩みが(そのままではないにせよ)反映されたシナリオになっています。

今回は声優ではなく「ミュージシャン・大塚紗英」の側面を見ていきましょう。

 

※ここで紹介する動画は公式チャンネルで配信されてるものなので安心してご視聴ください。

 

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おたえが路上で修行する7話を受けての、大塚さんのブログです。

大塚さんのミュージシャンとしての原点に自身のキャラクターが戻ってくる。 

アフレコ時や路上ライブを始めた当時の想いを赤裸々に綴っています。

 

youtu.be

 

ポピパのメンバーがスキルアップのためにさまざまな特訓に挑みます。

路上ライブをする大塚さん、そこにはなんと。

いろんなところで路上ライブしてたんですねえ。

 

youtu.be

 

RASの前身であるTHE THIRD(仮)時代からRAISE A SUILENとして生まれ変わり、現在に至るまでを振り返る動画です。サポートギターとして身を置いていた大塚さんが見れます。そして別れ、RASへの想い。

 

RAISE A SUILENのRADIO R・I・O・T

https://hibiki-radio.jp/description/ras/detail

第7回はレイヤ役のRaychellさんがゲスト。大塚さんのことも語られています。

ポピパのオーディションから大塚さんを見ていたRaychellさん。そして大塚さんを加えて3ピースとして始まったTHE THIRD(仮)。Raychellさんの語る自身の足跡に大塚さんのミュージシャン道が交わる。本編にも重なって見えますね。エモいです。

 

この辺りを押さえておくと、おたえの音楽に向ける熱い想いと、RAS、そしてレイとの出会いについて理解が深まるかもしれません。

BanG Dream! 2nd season #9 スクール・フェスティバル・シンフォニー

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「予定も聞かずに日程決めるなんて」

ポピパの中でRASの強引さについて明確な不快感を示すのは沙綾だけ。

こう言ってはなんですけど、おたえがサポメン勤めることになった時点で既に文化祭の日取りは決まっていたわけで、どういう契約になってるのかは不明ですが「この日だけはダメなんで」と契約時に意思表示できたはずなんですよね。それでもおたえではなくRASだけを責めるというのは、沙綾の中では「外からやってくる危機」について人一倍敏感だからとも言えます。

CHiSPA解散はメンバー内で決定的な軋轢があったわけではなく、山吹家の事情と、沙綾個人の気持ちの問題だった。だから、今回のケースもおたえに非があるとは思えない、思いたくない。……というか、今回の沙綾は思考が凝り固まっていて、自分から動けない場面が多々見受けられます。問題を起こしたのはおたえかもしれないけど、問題解決に動こうとしなかったのは沙綾だけなんですよ。

「みんなで考えて燐子先輩や日菜さんにも相談しよう」と持ちかけるのは香澄。「タイムスケジュール変えられるか聞いてみるか」とスマホを取り出したのは有咲。「会場から学校までの移動も考えなきゃ」と提案するのはりみ。沙綾はおたえを心配するので精一杯。

 

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揃わない掛け声。 予兆。

 

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外部との交渉事はすっかり有咲の役割に。たくましくなった。
 

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「大丈夫だよね、私たち」

 

僕たちは山吹沙綾というひとをどのように見てきたか。

明るく朗らかでポピパの頼れるお姉さん。

その一方で積極的に自分の意見を言わない弱点も持ち合わせています。

「沙綾は何がしたい?」と声をかけられたら「わたしはいいよ」と遠慮する(OVAで香澄に押し切られてようやっと自分の意見を言う、みたいなのが代表的)。それは奥ゆかしいみたいなことじゃなくて、自分が意見を言うことによって余計な波風が立たないか臆病になっている、とも言えます。 

 

このブログでは何度か山吹沙綾というひとについて言及する記事を書いています。

 

jujuru.hatenablog.com

jujuru.hatenablog.com

 

一年生の一学期に行われた文化祭で(彼女がかつて所属していたバンドである)CHiSPAと和解したのに(ここでガルパ内イベントを持ち込むのは反則かもしれませんが。アニメ二期とどれくらい繋がりがあるのか不明なので)クリスマスイベントに彼女たちを呼べなかったんですよ、沙綾は。過去の傷と向き合えない臆病者の顔も、彼女は持ったままなんです。

僕はクリスマスイベンド時の感想としてCHiSPAは彼女の傷ではなくなる、というような旨のことを書いたつもりだったんですが、今回の沙綾を見ていると、これは相当な深手だったんだな……と思わざるを得ません。あんなに弱々しく硬直してしまう沙綾を見てるとズキズキしてきます。

 

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ポピパのピンチにロック、覚醒!  このギター構える所作、めっちゃかっこよくてリピートしちゃう。

 

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キャー紗夜さーん!

 

ここで「determination symphony」が披露されるのはなんとも意味深。

ガルパ内のイベント「秋時雨に傘を」で初登場した楽曲です。

このイベントでは氷川紗夜の妹・日奈の、自分にはない魅力的なギター演奏にショックを受け、「自分らしい演奏とはなにか」を自問するお話になっています。「ポピパらしさ」を問われている現状と被るものがありますね。

デタミの歌詞は、かいつまむと「今はまだあなたのとなりにいられる自信はないけれど、それでも奏でるのをやめない」という、自身の現状認識と決意表明の歌なんですね。Roseliaはポピパの一歩先行くバンド。ポピパの抱える苦しみはRoseliaも通過していて、彼女たちはその答えを出した。このデタミは意図した選曲と言えるでしょう。

 

ポピパの文化祭ライブは叶わなかった。しかし、彼女たちの目の前には主催ライブが待っている。彼女たちは奏で続けられるのでしょうか。

 

今回のハイライト 

 

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「行くわよ」「ええ」

かっこよすぎ……!

Roseliaのメンバーが合図なしに続々と舞台に上がっていくの、必殺仕事人みたいで痺れました……!