じゅじゅるさん。2

じゅじゅるのへたれ感想ブログ

蒼穹のファフナー 第7話

 マークゼクスと人の命の重さには計り知れぬ差があるらしい。翔子の墓は荒らされている。ファフナーは人類の希望であり、資源に限りのある島ではファフナーの代えは存在しない。パイロット候補の子供は機関からいくらでも送り込まれてくる。甲洋は拾った犬を親に咎められ、雨に濡れた町を彷徨う。公園で出会った一騎は優しい。しかし、犬に餌をあげてくれた一騎は翔子を守ってはくれなかった。守れる力を持っているはずなのに。甲洋はそれが許せない。もしくは、その力さえ持ち得なかった自分が。自ら申し出たファフナー同士の模擬戦で自分の非力さを思い知る。しかしそれでも、怒りの矛先を一騎に向けるしか出来ない。
 「翔子は苦しんで死んだ」「もしかして転校したとか」と都合の良い理屈で自分を慰める男子たちに対し、戦闘における父親の死を体験した咲良が的確に翔子の死を把握しているのが興味深かった。一騎や総士以外の男子はいまだに現状を把握できていないように思われる。そろそろちゃんと説明したらどうだろう。断絶した親と子の世代の溝が埋められることは無く*1、親達は全てを背負い込んだ素振りをし、前線に子供を送り込む。子供は機械より安いパーツなのか。機関からの新しい子供の提供の案に対し、翔子の母は叫ぶ。「私の子供は翔子だけ」溝はあらゆるところで発生し、広がっていく。キャラに使命と傷を背負い込ませ、それぞれのドラマが描かれ始めた。いいんじゃないでしょうか。

*1:この溝がおそらく甲洋の怒りが一騎に向いてしまう原因のひとつかと思われる。文句は言うけど反抗は出来ない子が甲洋のような。そういう意味では両親に似ているとも言える。