じゅじゅるさん。2

じゅじゅるのへたれ感想ブログ

舞-HiME 第23話

 でぼちんがー!もはや消えることは確定していたような流れだったので覚悟はしていました。なんともでぼちんらしいかっこE散り際でした。HiME無しで会長に勝ったよ!さすが戦車に蹴り入れるお方は違う。でぼちんはずっとあんな感じの描かれ方でしたが、彼女が節目節目でかっこよく見えるのは、敵が下着泥棒だろうが戦車だろうが常に本域で特攻みかけていたことに起因しているんでしょうね。対する会長さんは終盤に来て一気にボロが出た格好で、彼女の物語にどのような幕が訪れるのかに興味深々です。こうなったらとことんまで堕ちてほしいところ。もはや奇麗事を言ってもいられないバトルロイヤルも終盤、シスターを問い詰める舞衣の行動も今更感は拭えない。極限状態での人間模様は非常に面白いなあ。ともかく!でぼちんの雄姿は忘れないよ!
 話は変わるけど、この作品を語る上で個人的に外せないと思うのはチャイルドデザインの秀逸さ。グロくもかっこよい。HiMEと照らし合わせると更に興味深いのは、チャイルドの巨大さ・醜悪さが、HiMEの内面とリンクしている点。会長さんのチャイルドの醜悪さは内面に秘めた黒い情念が具現化したものとも取れるし、舞衣のカグツチさえも上回る命のチャイルドのスケールは兄への盲信・絶対的な信頼の表れとも言える。なつきのデュランが比較的真っ当なかっこよさで描かれている反面、人間より一回り大きい程度に収まっているのは、彼女が邪な感情を持ち合わせておらず、彼女なりの正義感で動いている証拠のようにも映る。そんな彼女のチャイルドが喚べなくなってしまったのは、自分の信じるべき道を見失ったからなんだろう。今、彼女は誰を守るべきなのかを見失っている。悪意や盲信・邪念が醜悪な強力なチャイルドを喚んでいるのだとしたら、舞衣のチャイルドはどうなんだろう。山を薙ぎ払う強大な力を持つ、畏怖すべき存在でありながら、シルバーカラーに赤が散りばめられた凛とした姿はドラゴンドライブの主役竜のような絶対的正義かと見間違える堂々としたナリだ。二律背信のように見えるそのふたつの表情は、舞衣の戸惑いがそうさせているのかもしれない。強大な力をどこへ向かわせれば良いのか?復讐の牙を剥くか、己の過酷な運命に立ち向かうのか。舞衣の迷いもまた、カグツチとシンクロしているようにも見える。心のあり方がチャイルドの力を左右させているのだとしたら、なつきこそが負の感情に捕われず、デュランと共に情念渦巻くバトルに終止符を撃てる人間なのかもしれない。もっとも、母のトラウマから解放されなければそれは成し得ないのだが。さらに会長の妄信的な、一方的な愛情を振り切り、奈緒と正面から向き合う力を習得すれば、彼女はへたれ返上で戦線に復帰できるかもしれない。彼女は汚されてしまったのかも知れないけど、修羅の道には堕ちていない。バトルロイヤルにも応じない。それぞれ業を背負ってしまったHiMEの中にあって、唯一手を汚していないなつき。彼女は今後のキーパーソンになるかもしれませんね。HiME達がヒートアップして行く中、命を諭そうとしたのは彼女だしね。