じゅじゅるさん。2

じゅじゅるのへたれ感想ブログ

アニメビジエンスを読んで 〜数字という生き物について〜

アニメ業界誌「アニメビジエンス」の「フォローで試し読みキャンペーン」に当選しまして、2号と6号をプレゼントしていただきました。
A4で上質な紙質。本文はオールカラーで、著名イラストレーターによる、名作アニメをモチーフとした表紙絵が強く目に焼き付きます。渾身の筆致で描かれた表紙に魅入られて購入する人も多いのではないでしょうか。それほどの特別感を覚える表紙です。山田章博先生のデビルマン、最高。
しかし、眉目麗しい絵的なサービスはほぼ表紙で終了。そう、これは業界誌。
それも、アニメ業界唯一の業界誌なんだそうです。



いわゆるアニメ誌のようにピンナップや設定資料、最新アニメ情報が載っているわけではなく、業界のトピックや業界全体の展望について興味がある人用。業界誌だからね。
アニメにまつわる様々なデータとその検証、それらを踏まえた現在のビジネス展開と、未来への展望を探る。
今回はそんなアニメビジエンスを読んだ感想を書きたいと思います。
ちなみに今回、2号と6号を希望したのは*1、アニメ業界で現在注目を集めている聖地巡礼ビジネスと、音楽業界のように関連する他業界との今後のあり方について興味があったから。



つい最近、SHIROBAKOという、アニメ制作現場を舞台にしたアニメが人気を博しました。その前後から制作の現場について興味を持つアニメファンが増え、専門用語や部署の役割について広く知られるようになりつつあります。
アニメビジエンスはアニメ業界、その中でも現場の外周で活躍する人々の仕事を追います。アニメの企画にどのようなラインを引くのか、現場で作り上げた作品にどのような価値を付加するのか。より多くの人々を巻き込み、作品の魅力を伝えるために活躍する人たちは今何を考え、活動しているのか。現場の魅力の一部を除き見た私は、その周辺の人たちの思惑も知りたくなったのです。



聖地巡礼特集では、聖地巡礼の現在を紹介しつつ、アニメ制作側と地域の思惑が完全に一致しているわけではないことが強調されています。
テレビアニメは1クール数ヶ月で終わる作品が多くなりましたが、アニメ制作側は出来るだけコンテンツの延命を計りたい。その一方で、プロデューサーには次の仕事も控えているわけで、いつまでもひとつの作品に注力は出来ません。そんなアニメ制作側と、長期に渡る経済効果を狙いたい地方との仲介役としてコーディネーターが必要となってくる。聖地巡礼で成功した作品では必ずといっていいほどそのような人物が活躍しているそうです。これからの聖地巡礼ビジネスはそういった人材の育成がかかせなくなるといった指摘には頷くものがあったし、業界誌ならではの視点でしょう。



経済効果○億円、と数字だけ見せられてもピンと来ませんが、アニメビジエンスはその数字に至るヒントをいくつか授けてくれます。「これをやれば間違いない」といったヒットの法則はないのかもしれません。過去のヒット作から学べることは多いでしょうが、ヒットの要因とされる要素をトレースしてもヒット作が生まれるとは限りません。
地域振興として時に「失敗例」として名前を挙げられる「輪廻のラグランジェ」について、アニメビジエンスはアニメ制作側と地方の関係性の深さに言及。お互いに「何が出来て何が出来ないか」を共有・理解し、地域の人材育成を促し、鴨川らしいビジネス展開を呼び込むことに成功。例えば鴨川の情報紙「KamoZin」や鴨川エナジーがそれに当たります。これらの展開は数字を見つめるだけでは発見できない「生」の動き。輪廻のラグランジェの地域振興は、世代や地域を横断し、さらなる地域活性へ向けた持続力を育みます。本格的に花開くのはむしろこれからなのかも知れませんね。



その他にもデータ特集では年間ビデオグラム売り上げの総括や歴代アニソンの系列の分析など、データから流れを読む記事なども収録されており、大変読み応えがあります。
数字には理由があり、その意味合いも時代や視点によって変わっていきます。



アニメビジエンスを読んで、数字は文字列ではなくつねに胎動する生き物だと痛感しました。時代は刻一刻と移り変わり、ただ漫然と作品を世に送り出すのではなく、今の流れを読み、次の流れを作る試みが常に求められています。その結果が数字として現れるということを、今回再確認しました。
これから見るアニメの風景が、少し違って見えるかもしれませんね。

*1:なんと希望の号が二冊当たる企画なのだ

少女の背が物語る一瞬と永遠

最近ちょっと、アニメを見ていて目を奪われるカットがいくつかありまして。
それは女の子の後ろ姿。
視聴者に背を向けた彼女たちは何を想い、語るのか。
四作品から引用し、自分なりに感じたことを書いてみました。




「探偵歌劇 ミルキィホームズTD」のエンディングのラストカットです。
このカットってどういうシーンなのでしょう。
「エレメントを失う前の、歌手として輝いていた頃の茉莉音」なのか「エレメントを取り戻した未来の茉莉音」なのか。
このエンディングは茉莉音の過去回想の形をとっているので前者にも見えますが、これ私は後者だと思うんですよ。
ラストカットの前、ミルキィホームズが茉莉音の背中を押しているシーンが挿入されています。
つまり、彼女たちの助力でエレメントを取り戻したあとを描いているのではないか、と。
ミルキィホームズは序盤のアバンや劇中で「歌わないの?」というようなフリを受けて「私達は探偵です!」と繰り返し主張してきました。歌がテーマの話でずっと探偵をやってきた。
エレメントを取り戻した、という事は事件が解決したということ。事件が解決したら探偵のミルキィホームズと依頼主の茉莉音の関係はどうなる……?
そんなことを考えると、この後ろ姿は力強くありながら切なさも内包しているように感じます。



回想に入る前のこのカットもいいですね。雨を見て、雨の日の思い出に移行する。
手先の色気にも注目したいです。




アブソリュート・デュオ」オープニングから。
華麗に動きまくるさまが注目を浴びたオープニングですが、その中でも印象的だった「静」の一枚がこちら。
右の永倉伊万里さんは入学式で透流に敗れ、学園から追放された女の子。その後、分校に移籍し、左の子とデュオを組む事になります。
ふたりのデュオ結成までのいきさつはアニメ劇中では深く触れられていない為、このカットは彼女たちのバックストーリーを知る為の貴重なカットとなっています。
伊万里さんは絶対に叶えなければいけない願いを抱えています。本校から追放され、諦めざるを得なかった伊万里さんにそっと手を差し伸べたのが彼女だったのでしょう。
離島で出会ったふたり。目前に果てがないかのように広がる海。今にも降ってきそうな満天の星々。
何者にも邪魔されず、お互い以外に何者もいないかのような時間。
そのつないだ手の温度は誰にも明かされず、ふたりだけが共有する。
それは永遠でもあり一瞬でもある。
非常に美しく、惹き込まれるカットです。




アイドルマスター シンデレラガールズ」の第6話の劇中から。
新田美波とアナスタシアのふたりからなるアイドルユニットラブライカ、その初ライブ直前の様子です。
6話はニュージェネレーションのほうにカメラの重点が置かれている為、彼女たちの初ライブについてはそこまで突っ込んだ描写はありません。
ふたりの描写はわずかだけれどそのぶん濃厚。
絆は永遠。しかし、永遠は一瞬。
ステージに上がったら手は離さなくてはならない。
どんなに心を通わせても、相手の体温を直に触れても、一歩を踏み出す時には手を離さなくてはならない。
となりにお互いの存在を感じつつも、自分の身体で踊り、その喉で歌わなければならない。ふたりだけど、ひとり。
一瞬後に訪れる永遠の終わりまで、彼女たちはステージから目を離さない。お互いを省みない。
幕間からわずかに漏れる光を境にして、寄り添いすぎない距離の保ち方から、彼女たちの「互いに甘えきらない」力強さをも感じられます。
興奮と不安を共有した彼女たちを、期待を帯びた光が導いている。
カメラには写らないはずの彼女たちからわき上がる熱気が目に見えるような、そんな濃密なカットです。





四月は君の嘘」最終回(第22話)。
有馬公生の演奏シーンに、宮園かをりは光をはらんで出現する。
公生に背を向け、演奏家として舞台に立ちます。
海と空の境……生と死の狭間、それは一瞬であり永遠。有馬公生に一生残り続ける、終わりとはじまりの演奏会の幕が上がる。
宮園かをりは何も語らない。
それまで饒舌だった公生の独白も止む。
演奏家同士言葉はいらず、ただ奏でる音だけが響きあう。
かをりは演奏で挑発し、公正を困らせる。そしてかつてそうだったように誘いに応じて鍵盤が弾む。
ヴァイオリニストとしての最後の舞台を、演奏家として同じ舞台上から彼女の背を見送る公生。
公生にとってのかをりの象徴する、堂々としていてどこか切なげな背中。
届きそうで届かない背中を見つめる公生の表情にも心動かされました。



言葉ではなく、後ろ姿で物語る彼女たち。
アニメの絵の力を強く感じます。

話数単位で選ぶ、2014年エクスメイデン5選

(脳内BGM:小田和正「伝えたい事があるんだ」)
みなさんに聞いてほしい事があります。
私、先日「話数単位で選ぶ、2014年TVアニメ10選」という企画に参加させていただきました。
その年印象に残ったエピソードを10本選ぶという企画です。
みなさんのベストエピソードを拝見できる恒例の企画で、ここ数年、暮れがやってくるのを待ち遠しく感じておりました。
今年も同じ気持ちで10本選び、またみなさんのセレクトも楽しく拝見させいただきました。企画終了まで、まだまだお楽しみは続きます。

しかし。

今回の私のセレクトを見て、我がブログ「じゅじゅるさん。」に複数回いらっしゃった方の中には違和感を覚える方もいらっしゃるかと思います。

そう。あれだけプッシュしていた「エクスメイデン」が選ばれていない。

本企画においては「TVアニメ」という大前提があります。
ネット配信限定であるエクスメイデンは挙げられない。
しかし、このままでは2014年は閉じられない。エクスじゅじゅるメイデン*1としては。本ブログでも色々書きましたね、軽いSSや流行りに乗っかった食べ物系も書きました。
そんなやつが好きなアニメで年を閉じないなんて嘘だろ。
なのでやります。
題して、「話数単位で選ぶ、2014年エクスメイデン5選」!!



第一話【起動!エクスメイデン】前編


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本作の主人公かつ取り扱い危険人物・赤丸純との初遭遇。
なんでギターとハーモニカ装備なんてストロングスタイルで来ちゃったのこの子。
初対面ゆえのなんともいえない手探り感がものすごく生々しく、しょっぱなからヒヤッヒヤします。
アニメの中の出来事なんだけど、なんか声優の人たちちゃんと顔合わせしたのかな?みたいな余計な心配を焼いてしまう感じ?
MMD特有のチープ感とかネット限定配信という状況とかと相まって変な勘ぐりをしたくなってしまう視聴者の心理状況を上手く突いてくるんですよ。
完全に視聴者、手のひらで遊ばれてんでしょうね……。
放送事故すれすれ(のように見せるワザですね)の「間」がたいへんにスリリングなのですよ。
エクスメイデンの笑いの特徴とは、我々がいつもしている日常会話における、長くとも短くともないちょっとした「間」、お互いの言いたい事がちょっとずつずれたまま進む「違和感」に注目して笑いに変換しようという試みにあると思うのですね。そのエッセンスがとても強く感じられるのが主要人物の初対面を描いた一話目なんじゃないかなあ。



居酒屋たまき 第一話 〜ほっけの塩焼き〜


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傑作回。
エク界隈では「未視聴者にはまずこれをおすすめするのだ」と暗黙の了解になっているこのエピソード。
天然たまきと聞き上手ゆっきーのふたりがお送りする居酒屋寸劇がこの「居酒屋たまき」シリーズ。
女将のリアクションがいちいちなまめかしいんですよ、MMDの可能性を感じますね。
「うん、いいから」ゆっきーのこのあしらい方は本編共々、シリーズのお楽しみになっていきます。
大人だけどちょっと子ども、大人だからちょっとしんみり。
熟女と呼ぶにはまだ早い、いいカンジの脂のノリを噛み締めましょう。



居酒屋たまき 第二話 〜イカ刺し〜


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アドリブっぽい「結婚式の招待状の話」からはじまる矢……ゆっきーの結婚式あるある話がおもしろく、そしてなぜかせつない。なぜか……。
「オレンジみたいに真っ赤」「オレンジはオレンジ」というような、ツーカーのボケツッコミ加減が本編とは違う味になってますね。
ゆっきーの低温ツッコミはおっさんの五臓六腑に染み渡る。
お好きな肴のお供にしたいアニメ今年度ナンバーワンです。
なぜか地球でバイトする敵役ヴィルゴちゃん、THEピュア。



第五話【空の支配者】


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謎の生命体が襲来する世界におけるUFOのロマンとは。
伏線回収とかしっかりしてる、エクスメイデンでは珍しいタイプのお話。
いやまあギャグに変わりないけど。
「語ってる人自身はめっちゃ盛り上がってんだけど話の組み立て方がうまくなくてまわりがやきもきするあの感じ」の再現度がすごい。
UFOに対する急激な興味の薄れ様(辺りが光った!UFO来た!近所に着陸した!からの、あの公園匂うのでそのまま帰った)におののく葵ちゃん。CV飯田友子さんの、迫真の混乱芝居にご注目ください。
「常識人がひとりしかいないので常識的に驚いたらなんか浮く」これもエクスメイデンのお笑い基本形だ!



第八話【決断、そしてジレンマ】


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涙の最終回!!
ゆっきーのファーストフードトークが涙を誘う。涙の最終回!!
てゆか、ゆっきーのエピソードはいつも世知辛いよ……。
途中で噛んでも面白ければ採用されてしまう現場の怖さを味わえます。今回はゆっきーのリカバリー芸が見られるぞ!
ゲーム脳三段落ちが華麗に決まる!
ボケるタイミングじゃないところでボケるのが最高にイラッと来るんですよね!というのが何故か病みつきになります。こういうとこ、最後までエクスメイデン。



最後になりました。
あんまりキャラ語りとかするタイプじゃないんですが、します。
雪村まつりことゆっきーがね、好きです。みんな好きだけど、ゆっきー、好きです。
基本、みんなからっと明るい人の集まりなんです、このアニメ。
ゆっきーひとり、明るく割り切れない、お酒の美味さを知ってしまっている大人なんです。
矢作紗友里さんの声が吹き込まれる事で、笑いの中にほんのちょっと渋みが混じる。
僕はそこが好きなんです。あとなでなでしたい。

これで本当に今年最後です。
聞いてください。

エクスメイデンは、ニコニコ動画にて全話無料配信中です!!


http://ch.nicovideo.jp/xmaiden


インポートした動画からもガンガン見れます。
今からでも間に合います。
スナック片手に、お酒片手に、年末年始のお供に、エクスメイデン、面白いよ!!
今年もありがとうございました、来年も、エクスメイデンで会いましょう!!



本記事のリスペクト元
「話数単位で選ぶ、2014年TVアニメ10選」参加サイト一覧

*1:今年後半はツイッターでこの名前だった

話数単位で選ぶ、2014年TVアニメ10選

に、参加します。


「話数単位で選ぶ、2014年TVアニメ10選」参加サイト一覧: 新米小僧の見習日記]


ルール

・2014年1月1日〜12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。

・1作品につき上限1話。

・順位は付けない。


ちなみに去年の記事はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/jujuru/20131231#p1
おととし。
http://d.hatena.ne.jp/jujuru/20121231#p1
そのまえ。
http://d.hatena.ne.jp/jujuru/20120101#p1


それでは行きまっしょい。



凪のあすから 第十四話 約束の日
2クール目突入。
長井龍雪さんによるのOPのクオリティでまずガツン、と一発。
1クール目とは趣の異なる静謐な空気が画面を覆い、新展開への期待が否応にも高まるエピソードでした。


ガンダムビルドファイターズ 第15話 戦士(ファイター)のかがやき
スタービルドストライクガンダムVSガンダムフェニーチェリナーシタ、ガチの対決へ。
フェリーニの成長に合わせ装甲が強化され、一方で左右非対称のいびつな形になっていく愛機フェニーチェ。共に傷つき、強くなっていく様に涙を禁じ得ません。自分にはフェニーチェしかいない。そのガンプラ愛はセイのそれとは異なる形で表出する。ガンプラは全てを許容する。ガンプラを愛する者をガンプラは否定しない。すべてのファイターにガンプラの光あれ。


弱虫ペダル #28 100人の関所
巻島さんが自身と同じクライマーの気質を持つ坂道を見つけた時の喜びが痛い程よく伝わってきました。
人を食ったような高校生離れした異質さがはがれ、年相応の少年らしさを見せる巻島さん。
クライマーとしての孤独が剥がれ落ちる一瞬だったのでしょう。
今年一番繰り返し見たエピソードかも知れません。何度見ても目頭が熱くなる。


マケン姫っ!通 第捌(はち)話 学園ハーレム
一日校長に任命されたむっつり男子・碓によるとんでもエロ授業が女生徒たちを襲います。
考えうる限りのエロネタを一話に詰め込んだ、大変にネジの吹っ飛んだお話。
最初の授業、現国での第一声「くっ、ころせ」でもう心を鷲掴み。
おっぱいの体積実験や女体盛りなどとにかく手加減が無い。
お下品ネタもここまでやりきったら立派なもんです。
その後学園がどうなったかとか手痛いお仕置きを受けたとかなしに、いきなり21XX年に飛んで碓の大往生で締めるラストがたいへんにクール。
一話完結型に移行した二期は自由にやりたい事に専念しきった作りで潔かったなあ。


ナンダカベロニカ 第7話 ウタッテ・ベロニカ
パンクな母親とギター少女の、すれ違いと和解までを歌をモチーフに描いたエピソード。
夕暮れのほんのりダウナーな雰囲気がなんとも心地良い、ちょっと大人なエピソードです。


ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ 第10話 対決!銀色のサムライ
スパイダーマンの突然の別れの言葉にびっくり。ホームタウンへの想いと子どもたちとの友情という、両立が難しい彼の複雑な感情と決断が満面の笑顔に一抹の影を落とす。スパイディの去り際にただ、涙。
前半の、シルバーサムライとの丁々発止のやり取りも見どころでしたね。


六畳間の侵略 #04 陰謀の海水浴!?
お泊り回。
特にもめる事無く、男女同じ部屋で寝てしまうこの人らのATフィールドの薄さに驚きました。
たぶん、そこのところが本作独特の和やかに繋がっていると思うんですけど、どうでしょうか。
今年一番驚いたアニメトピックでした。


少年ハリウッド 第10話 ときめきミュージックルーム
音楽番組回。1話丸々やりきったのがすごい。
ミス・モノクロームの歌唱から始まる飛ばし方。
今回限り登場の大物演歌歌手、画面のはじではしゃぐ小ハリメンバーなど、作り込みの細やかさが際立っていました。


トライブクルクル #01 運命のムーブ! 二人の出会い
ここまで王道で、さわやかなボーイミーツガールが見れるとは思ってなかった。
少年の汗とガラス越しの観客と。秘められた少女の愛しき時間にキュンキュン来ます。


アイカツ!  #106 アイドルハロウィン
氷上スミレちゃんかわいい!!を前面に押し出したスミレちゃん回。
類希な美貌と小動物的な魅力を併せ持つスミレちゃんに現役アイドルもメロメロですよ。
しかしこのアニメ、アイドルのかわいさが被らないのがすごいなー。



以上です。
今年もアニメにどっぷりな一年でした。
意外なところから意外な球が飛んできて、予期せぬ感動に何度心動かされた事か。
来年もまた、いろんな球筋に驚嘆し、感動する事でしょう。
今年一年お世話になったアニメに感謝です。
それでは、またアニメで会いましょう。

梅雨の季節に見たいアニメ私的5選

天気の優れない日が続きますね。
とは言いますが、自分はわりと梅雨が好きでして。
しとしとと地面を打つ音をBGMにぼけっとするのも悪くないものです。
そんな梅雨の季節、アニメ界も自然と雨をテーマにしたエピソードが増えたりして、なお自分に良し、なのです。
今回はそんな雨の日をテーマにした、ちょっとしっとりした「雨回」をいくつかご紹介したいと思います。



ケロロ軍曹 204話「ロボ 556 であります/ケロロ&夏美 雨宿り であります」

軍曹と夏美が喫茶店の軒先で遭遇し雨宿りをするお話。
家族のように暮らしながら喧嘩の絶えない(トムとジェリーのような)このふたりがこのような長尺で語り合うのはレアケースだったりします。
話をごまかす為に夏美が突然持ち出した「好きなおでんのタネの話」が意外な広がりを見せ、互いの緊張感が緩んでいくのがおもしろいところ。
木の枝に絡まった風船がじょじょに空に昇っていくシーンが象徴的ですね。
雨が呼び込んだ、小さな憩いのひとときにほっこり。



シスター・プリンセス Re Pure 春歌

ドイツからの帰国子女でありながら大和撫子という設定の春歌担当回。
雨に煙る古都と浴衣少女のコントラストが実に美しい。
指先まで行き届いた、春歌の細やかな所作、眼福です。
絵コンテ・演出・作画監督を担当された平松禎史さんの仕事が細部まで行き渡っています。
今見てもハイクオリティな映像で、短編ながらも充分な見応えがあります。
雨に降られ物憂げな表情も兄の登場で晴れやかに。
織姫と彦星の逢瀬を阻む催涙雨も、少女の願いの前では無力なのです。



ささめきこと 第12話「雨を見たかい」
夏休みの登校日、通り雨を避ける為に図書室で怠惰な時間を過ごす女子部。
ある本に落書きされた一文から、女子部の探検が始まります。
活動実績も無いに等しい彼女らが、人の心の沈む雨の日に衆目を集めるという構図が面白いですね。
純夏と風間の関係については次回の最終回に持ち越し、ラス前の今回は「彼女たちにとっての女子部ってなんだろう」というところにひとつの答えを提示しています。ずぶぬれのジャージと、炎天下の空のビン。
音楽室に並ぶ作曲家の肖像画から「ドイツの作曲家を」と聞かれてベートーベンの下に全員集まるとか、暑さにもだえる生徒を尻目に職員室で寒そうにカーディガンを羽織る教師など、「ささめきこと」らしい小ネタの配置も小粋で、オススメの1話です。



侵略!イカ娘 第8話「病気じゃなイカ?/新能力じゃなイカ?/ささなイカ?」
本作らしいコミカルさと、らしくないセンチな気分を同時に味わえる貴重なお話。
新しい傘を相手にあれやこれやとひとり遊びを繰り返すイカちゃん。その見た目通りのいじらしさが新鮮です。
傘に名前をつけて振り回して楽しそう。傘の存在は知らなかったけど山脈の名前は知っているイカちゃんの知識の偏りが心配になります。そして人生には出会いもあれば別れもあるわけで……。
EDには毎回なんらかのギミックの仕込まれている本作ですが、壊れたイカ1号を差し海を眺めるイカちゃんがまたせつない……。
しかしここからが本作の良いところで、日本の雨のじめっとした雰囲気を長々と引きずらず、スッと相合い傘をさす栄子の優しさで締めるのが粋じゃないですか。
やっぱこう、イカちゃんはヒロインというより隣近所の子どもと言った風情で、そのままスクスク育ってくれ、みたいな、余計なお世話を焼きたくなっちゃう妙な魅力があるんですよね。



レディ ジュエルペット 第10話 「パラソルはレディのたしなみ」
今年の作品からひとつご紹介。
ジュエルペット最新作はコメディ色薄めで、立派なレディをめざす女の子たちを描いた恋と成長のストーリーになっています。
今話は、ボーイッシュなレディ候補生みずきにスポットを当てた1話で、彼女らしい強さと弱さを垣間みる事が出来ます。
パラソルの扱い方が課題として出されたのに頑として傘を刺さないみずき。彼女がレディを目指すきっかけとなったある雨の日の思い出が彼女をそうさせたのです。
レディ候補生として減点されるような行為と知りつつ、凛とした立ち姿で雨に打たれる彼女の姿も、またひとつのレディの矜持と言えるのかもしれません。
雨に濡れるあじさいの美しさもまた、曇り空の下でなお輝くみずきに華を添えています。
また、今話はパートナーであるガーネットの、みずきを見守る視線の優しさにも注目したいところ。好きなんですよ、ガー子。



天候に合わせてアニメを見るというセレクトもたまにはいいかも、と思っていただけたら幸いです。
オススメの雨アニメがありましたら是非教えてください。
アニメを巡る旅はまだまだ続きます。

今日も誰かが「なまえをよんで」いる 〜ガイストクラッシャー、そして「魔法少女リリカルなのは」〜

古来より夕陽をバックに拳をぶつけあえば友情が芽生えるという言い伝えがあるわけですが、今週の「ガイストクラッシャー」がまさにそういう話でした。
もちろん、ここに至るまでの描写が丁寧だったから生きる結末です。



ガイストクラッシャーというアニメは「ガイスト」という脅威から人類を守るヒーローたちの物語です。
このアニメは「ヒーローは何故ヒーローたり得るのか」「何故彼らは闘い続けるのか。彼らを支えるものとは何なのか」を何度も問い続けてきました。
どうしてその答えに至ったのか。なぜ悲しいすれ違いが起きてしまったのか。そこにじっくり時間をかけて描いてきたシリーズです。
シリーズ開始当初は突っ走る向きの強かったレッカが、その負けん気は健在ながらも、いくつもの出会いと戦いを繰り返していくうちに心根に粘り強さが芽生え、GCGを恨むイズナにはただ突っかかっていくというのではなく、辛抱強く話し合い向き合い続ける様には本当に感動しました。


イズナにとって当初、レッカは敵ですらありません。ガイストクラッシャーに至らぬ未熟者で、目も向けない。
説得の言葉もまるで受け入れない。
今回描かれる共同作戦で、イズナはレッカの名乗りを拒否します。
しかし、レッカは徐々にイズナの視界に入っていき、彼の言葉がうわごとではないと知り、最後はその力を認めます。



「お前、名前は」
「白金レッカ。よろしくな」


名前とは、はじまりの言葉です。
名前を知らなければ、あなたとわたしは知らない人のまま。
お互いの名前を交わした時、ふたりの関係は始まり、物語のプロローグとなります。
好きも嫌いも、愛も憎しみも、はじまりはそこからです。



なまえをよんでとは
なまえをよんでとは、アニメ「魔法少女リリカルなのは」最終話のサブタイトル、及び同エピソードで使われたBGMのことである。


(中略)


どうやったら友達になれるのかと問うフェイトに対して、なのはは「名前を呼べばいいんだよ」と答える。「なのは…」「フェイトちゃん…」いつしか二人は涙を流しながら、固く抱きしめ合っていた。二人の出会いの物語は、まさにこの時から大きく動き始めたのである。
http://dic.nicovideo.jp/a/なまえをよんで


名作アニメ「魔法少女リリカルなのは」第一シリーズの、最終回にして、以降の「なのはサーガ」のプロローグとなるこのシーン。
戦いあい、傷つけあい、その中で答えを見つけていく。
まあつまり、ずっとそういうことに、僕の心は動かされ続けているんだなあ、と深く感じ入る夕べでありました。



ちなみに、名前呼び繋がりで。
今日の「ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ 」では、主人公・アキラ君がアイアンマンをみっつの呼び名で呼びかけていたのが印象的でした。
ヘルメットを装着しバイザーをおろす前は「スタークさん」。
バイザーをおろし飛び立った後は「アイアンマン」。つまりヒーロー名。*1
ここまではまだ壁がある。
そして、ひとり危険な巨大竜巻に立ち向かう彼に放った魂の一言が「トニー!」
これはたぎりましたね。
名付けて、「なまえをよんで三段活用」!

*1:ヒーローになった時にヒーロー名で呼び出すところにプリキュアイズムを感じたり。通常時は「なぎさ」「ほのか」、プリキュアの時は「ブラック」「ホワイト」呼びで徹底、みたいな

エクスメイデンに合うおやつを探してみる そのに うなぎドゥーレ編

今夜のおやつはうなぎドゥーレです。



こちらは浜名湖のおみやげとしてもらったおやつになります。ありがたや。
浜名湖と言えばうなぎパイで有名ですが、このうなぎドゥーレは浜名湖おやつの新定番、らしいです。
舟の形を模したもなか生地にキャラメルとアーモンドが乗っかってます。
こんなかんじ。



今回はこちらの動画をセレクト。


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居酒屋と言えばおとなの社交場。ならばおやつも夜のお菓子で!
……そういえば、うなぎパイって何で夜のお菓子って呼ばれてるんだろう。
食べると精力増強!なんて話を聞いた事のある方もいらっしゃるかと思います。


んが、ネットで調べたところ、お父さんが帰宅した後夜の一家団欒に食べて欲しい、との思いで「夜のお菓子」と名付けたそうで、「精力増強説」はそのフレーズゆえに生まれた誤解が広まったということらしいです。
ほへー。


さて、動画を再生してもぐもぐ。


うーん。軽い口当たりで夜中でも安心、な気になってきます。
パイ生地のおかげで手も汚れません。うん、いいね。
長官……、というより矢作さんの愚痴が出ている気がしてしまう「周囲の友人がどんどん結婚していく話」に、うなぎドゥーレに謎の塩辛さが混じります。
これが涙……。泣いているのは私……?
面白いし美味しいが……。なぜ世知辛さが身にしみるんだ……。


全然おめでたいよ、気にしてないんだけど、くそやろうとか思ってないけれども。全然大丈夫だよ。


やめてー!食べる手が止まらなくなるよー!
長官ことゆっきーの愚痴タイムが終わると、このあとはゆっきー&女将の絶妙なコンビ漫才が待ち受けます。
ウーロン茶がおすすめナンバーワンと聞いた後のゆっきーの「ぇ……」が迫真過ぎてたまんない。
「え」じゃなくて「ぇ」なのよ。



さて。うなぎドゥーレは実はここらで食べ切ってしまいまして。二個目行っても良かったんだけど、あれだなー。ちょっと罪悪感と脂肪の具合がなー。
食べる時間も考えねば。



動画のお供としては、PCを触る分、やはり手の汚れが気になりがち。
その点、前記事のチョコパイより優秀でしたが、口当たりが軽い一方で物足りなさも感じてしまいます。
今回の「居酒屋たまき」は6分と短めなので、もうちょい大事にとろとろ食べると良い感じだったかも。
……んが、このあとは田村睦心さんによるひわいなイカトークが待ち受けているので食べ切って正解かも、とはちょっと思ったりな!


今回のまとめ!
・ゆっきーの食べるイカ刺しは塩辛い。世間のしんどさと同じ味がする。
田村睦心さん声の萌え女性キャラ、素晴らしい。
・下ネタとおやつの相性は良くないと再認識。
・うなぎドゥーレは口当たりも良く、塩分も甘さも絶妙でとにかくおいしい。浜名湖のおみやげにどうぞ。


はぁー、甘さもしょっぱさも許容するエクスメイデンさいこう。