コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜 第一話「東京の魔女」を見て 〜恋心で起動/再起動する星野輝子の幻想について〜

この秋からの新番組「コンクリート・レボルティオ」の一話を繰り返し見ている。
はじめは「この星野輝子というヒロイン、しぐさがかわいいな」とかいった体でぼんやり眺めて喜んでいたが、とあるセリフが引っかかり何度も視聴しているうちに、どんどん彼女の放つ「幻想」にはまっていった。



第一話は神化41年と神化46年の出来事が平行して描かれている。
星野輝子の初恋と、そのくり返しについて。

「爾郎さん、わたし、二十歳になりました」


輝子を語る前にまず「魔女っ子」という概念に触れないといけない。
この後作中でどう描かれるかによって意味合いは変わってくるが*1、まずここでは暫定的に、魔女っ子とは、少女の身でありながら、大人をも凌駕する力を行使する魔女を指す、とする。
その力は期限付きで、大人になったら手放すか、もしくは人並みの暮らしを捨てるか選択しなければならない。


魔法の力の根源は「幻想」だ。
こうありたいと夢見る少女の幻想が姿見を変化させる。
神化41年7月、少女は人吉爾郎に出会い、恋に落ちた。
神化46年4月、彼女は魔女の力で爾郎を追う。輝子は二十歳になっていた。


「爾郎さん、わたし、二十歳になりました」は重い告白だ。


その言葉からは爾郎と出会ってからの月日の重みと、大人になった自分を見て欲しいという純なる願いと、そしてなにより、己自身を束縛する呪いが強く滲み出ている。
二十歳は、もう少女じゃない。
第一話のサブタイトルは「東京の魔女」だ。
彼女は幻想とともに生きる選択をしたのだろうか。それは、いったい何のために。
告白の後の、風郎太の苦い表情が胸に刺さる。


輝子は、グロスオーゲンと混じった青年が爾郎によって救われていた事実を知ってしまう。
爾郎と出会い、心にともした熱がふたたびよみがえる。
あの素晴らしい愛をもう一度
星野輝子は魔女っ子だ。もう、二十歳になった。



恋心という「幻想」が、「魔女っ子」の能力を再起動させる。少女だった頃の幻想を捨てきれない彼女は今はどちらに立つ者なのか。
雨の中、爾郎の消えた空を見つめる眼差しは儚く、しかし愛おしいものに見えた。
空に消えゆく川本真琴の歌声、それは恋心のリフレイン。
いまここに起動し、再起動した星野輝子の幻想に目が離せない。

*1:劇中では魔女っ子と呼ばれているが、公式サイトには魔法少女との表記もある。魔法少女との区分のあいまいさもある